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西村賢太 続「雨滴は続く」
2022年8月の読書
西村賢太 『雨滴は続く』(2022年5月 文藝春秋)、『en-taxi』誌
『雨滴は続く』(2022年5月)は、西村賢太37歳~38歳ごろの、デビュー前夜のお話。2022年2月5日の54歳での急逝により未完だったのだが・・・
平生古本屋になど滅多に行かない私が先日、ほとんど初めて入ったようなところでまず真っ先に遭遇したのが、その、マンション風の建物の二階の店を訪ねるべく外階段を上ったドン突きの踊り場の、足元に置かれた段ボール箱の中でこちらを向いていた大きな『en-taxi』誌で、従来知っていたそれは西村賢太のインタビューや短編を目当てに買っていた2013年前後の、他の文芸誌と同サイズのやつだったから、
「へえー、昔はこんなだったんだ」と思いながらA4ぐらいのそれを裏っ返すと、2007年とある。
で、お、と思ったのは冒頭のカラー頁の次が坪内祐三(「文藝奇譚」)だったからだが、すると何やら野間文芸賞受賞式のことが書いてあり、
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