都築郷士 夜のいくつか(c
【レヴォリューションNo.13】
どうも自嘲の言葉がね、
先立つ。
芥川龍之介みたいな
英才には
似つかはしからうが
自分の如き..あゝまたゞ!
誇らしくあれ、と
己れの詩行に云ふ、言ひ聞かす。
そんなキャリアになつた、
不幸にも書として
纏められてはゐないのだが。
※
インスタント珈琲は
どんなに薄く淹れても
胸ヤケのもとだ、
それから己には己の
ダンスがあらう(モリッシーなんて
知らねえよ)、
そこを衝くのだ -
まだ詩は書きたいだらう?
まだ世に巣食ひたいだらう?
※
ごちや混ぜの
塵芥のなかに
クルト・シュヴィッターズ由來の
発見がある - もう古典的手口
だ。ジョージ・マーティンは
マスターテープに鋏を入れた
レノンが厭世の縁に座つて
鳥のやうに、
と歌ふ。
鳥のやうに自由、と。
※
みなみなポップであれ、
辛うじて秋の牽引力ビートル* くにを
©都築郷士
*兜虫は餌、環境などを整へさへすれば、越冬するぐらゐの長命だ。
※
疲労時なぞ炬燵出す頃まで生きて君と脚絡ませ合ひたく くにを
浅酌の酔ひに
寝まる
ほくそ笑み・秋 くにを
ぢやまた。アデュー。