都築郷士 ちよつとはみだ詩・❲六参❳ 附・詩人の為の(秋冬)ワードローブ集
「わしのこの人を誤まらせる『道徳経』は、わし自身で持って行って焼かねばなるまい。」(老子の台詞←筆者補足)
-『歴史小品』郭沫若
【定め】
あゝ運勢に定められた音楽を聴きつ
風呂上がりにはアイスストロベリーオレを飲む
ビールと言つたら負けだ
己はタフでマッチョな男ぢやないよ
言葉がどうも上つついてゐる -
語数を費やしても己の心の
ほんのこれつぽつちも語られぬやうな
そんなせつつきに腰がゞくがく
巻上公一になれず
安藤次男になれず
井上井月になれず
平賀元義になれず
(色々な人名割愛)
何にもなれない人間な己は
仕方なく自分を演ずる
明日どうか良き報せをと
仕方なく自分を演ずる
©都築郷士
【短詩・上】
目も当てられぬ涎・失禁仔犬の別れ
※
水飲んでコレハH2Oデス、とロボット聲に巫山戯るまづし
※
タイの裏にスキャパレッリとピンクの文字俗に生きたしなかなか難なり
※
テレコなる仕事言葉やS課長メジャーを肩に掛けられし事か
※
町外れ厩舎のありき郊外だつてさ(笑)
【短詩・下】
たまにはさ暴れん坊でありたいよと嘆く人あり己のTL
※
坂鳥が遥かに見ゆる秩父かな(嘘)
※
ぱぴぷぺぽ屁の如きもの許り作る
※
一ダースほど仲良う並んで皆トイプードルだ
※
なかなかにはか行かぬものちよつぴりが皿に綺麗なパスタなるもの
【虚言箴言】
寝てばかりの動物の類ひを羨む人は、既に心が眠つてゐるのである。- ラ=ロシュフコオ (大嘘)
これはずばり核心を突いた。贋ラ公らしからぬアフォリズムらしいアフォリズム。ゆゑに註は要らなさう。筆者のやうな怠け者には全く以て耳が痛い。
【今日の金ぼし】
人はみな大往生よいたいけな子羊なんど思うてもみよ(©都築郷士)
まあ嫌らしい歌と言へば、全くその通り。イルカや鯨を食ふは批判しラム肉は貪るやうでは、ヒューマニスト失格である。が、人間なんてそんなもん、と私は本当は気にしてはゐない。(自註)
一日空けたくらゐ、とたかを括つてゐたのだが、實情全き難行であつた。特に、詩が書けない。今回は一作だけとしたが、全然駄目ではなかつたのは、もつけの幸ひ。ぢやまた毎日。アデュー。
良きメロディー善き心にぞと真つ直ぐに言へぬところよ人間なんてな
(©都築郷士)オマケ!