ASAMIさんのタネと食と健康の話の感想と補足
種まきシーズンにお見掛けした「タネと食と健康の話」
気になる遺伝子組み換え、ゲノム編集、自然栽培のお話が出てきたので拝聴してみました。
以下、就農5年目の農家が感想と補足を綴っていきます。
最近出てきたゲノム編集
確かに「新しい技術」というだけで不安になる人もいると思います。安全性の確認が取れていないとか、長期的摂取による人体への影響等、気になることはたくさん。
安心できない「気持ち」はとてもよくわかります。
ゲノム編集は遺伝子組み換え農産物と違って表示義務はなく、あくまで任意。
わからないうちに食べるのは不安。
そのまま不安ではいたくないので調べました
現状(自分で調べた範囲では)ゲノム編集農産物のスーパーでの販売はありません。
販売されている中玉トマト「シシリアンルージュハイギャバ」はサナテックシード株式会社から直接通販で買うしかありません。(「ハイギャバ」とついていない「シシリアンルージュ」トマトはゲノム編集ではありません)
学校への無償配布?
調べるとシンポジウムでサナテックシードのCEO竹下氏が無償配布(Free sample)の構想を語っていたとの事。
https://okseed.jp/genometomato.html
それに対し、ゲノム編集トマトは受け取らないでと署名活動が増えてきたのが現状の模様。
現実は2022年配布予定とされていた苗ですが、配布された学校や施設はなさそうです(希望者は申し込みをして無償でもらった方もいたとか)
遺伝子組み換えは不自然だからちょっと避けておこうかな…
そもそも論になってしまうのですが、インド原産のナスや南米原産のトマトを日本で育てて食べている時点でもう不自然極まりないのです…
言ってしまえば接ぎ木(植物をフランケンシュタインのように根に近い部分はかぼちゃ、実になる部分はきゅうりにする技術)の技術も知らない人から見れば気味の悪い物に見えるかも知れません。
また自然な農産物だから毒性はない。というわけでもなくほうれん草にはシュウ酸があったり、ビワや梅の種にはシアン化合物が含まれていたりします。
人の手で新たに作り出したものに忌避感を覚えるのも、ある意味自然ではあるので気持ちはわかります。
タネの品種改良
種ができない種が出回っている…?
種取りして育たないように編集されている??
それはちょっと知らない技術であり、事実としたらそんな承認されていない技術を使った種苗会社を通報しないといけない案件かもしれません。
しかし…もしかしたらメンデルの法則を利用した雑種強勢のF1のことであれば大変な誤解です…
種の話はBaseSideFarmのpodcast(日本語版)でも話題になりました。
https://smartagri-jp.com/management/1301
F1でも種ができて実ができてF2ができますが、メンデルの法則で子の性質がばらける自然現象が起きます。
それでも選抜していけば野口種苗さんのアロイトマトのように固定化して新たな固定種ができます。種のロマンですね。
昔からの種を探すのが大変…
もしかして固定種の事であれば普通にホームセンターでも売っています。
(●●交配とあればF1、●●育成とあれば固定種です)
ノラボウ菜等地域の在来種も売られているので、地方のホームセンターや種屋さんに行ったときにチェックしてみるのも面白いかも。
地球古来からある固定種
恐らくあるかもしれませんが、それこそ入手困難ですし、育てたところでおいしく食べられるかは不明です…
今食べている固定種と言われる物でさえ掛け合わせて作られて、品種として固定化されたもの。京野菜や江戸東京も先人たちが品種改良したり、選抜という人の手と目と舌で選んできたもの。
以下に野菜の栄養の話の補足をしました。
ご興味があればぜひ
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