★【走塁 チーム作り】”走塁力”の向上
「足が速い」ということは野球では大きな武器になりますが、足の速さはある程度”持って生まれたもの”になります(瞬発的に体を動かす「速筋」と、持久的に体を動かす「遅筋」の割合には個人差があり、生まれ持ったものが大きく変わることはない)。また、トレーニングで急激に伸びるものでもありません。
しかし、(持って生まれたものはあっても)努力を継続し今より速く走ることは可能です。また、野球における「走塁力」は前に進む力だけでなく前後左右に機敏に動くことや状況判断も重要な要素になります。
チームの”走塁意識”を高める
走塁意識の高さは、個人ごとに高めるよりチーム全体として高めたほうが効果が高いです。
野球部に入部した新入生が「先輩の走塁を見て、自然と走塁意識が高まった」という感じでチームの雰囲気に大きく影響されるものなので、ます最上級生に高い意識を持って走塁を行なう重要性を認識してもらえるよう伝えることが重要です。最上級生の意識が高まれば、それは下級生の意識にも必ず影響を与えます。これが世代をまたがってつながることは
「走塁意識=チームの伝統」
となり、チームの特徴として他校にも恐れられるものになっていきます。
◉ 常に100%の能力(走力)を出す習慣をつける
足の速さは持って生まれた個人差がどうしてもありますが、意識を高めること・持てる力の全力を出すこと は誰でもできることです。そのために、まず自分の走力を常に100%出す習慣付けを行ない、その中で出来る限り「足を速くする」能力を高めていきます。
一般的に、 ”足の速い選手が走塁意識が高い”
”足の遅い選手は走塁意識が低い” 傾向があります。(これまでチームの中で足を期待されてきたか?という影響が大きい)
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足が速い ⇒ チームに足を期待される、盗塁の成功体験が多い
自信を持って走塁をチャレンジできる
足が遅い ⇒ チームに足を期待されていない、盗塁の成功体験が少ない
進塁するよりも戻る意識(アウトにならない)が強い
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足の遅い選手に走塁意識を高めてもらうために、自分の100%を出し走力を高める練習を行ないます。
◉ 自分のタイムを知る
「走力を上げる」と抽象的に言っても改善の実感がつかめないので、まず各選手が自分の走力がどのくらいか?タイムを計測するのが良いです。
≪タイムを把握しておくと良い距離≫
塁間(本塁→1塁) ・ ベース1周 ・ 30ⅿ ・ 50ⅿ
このタイムをチーム全体で共有することで、「自分がチームの中で何番目のタイムか?」「チームの中で足が速いほうか?遅いほうか?」現在地が把握できるようにします。できれば、チーム内だけでなく全国平均・県平均と比較できると尚良いです。
◉ タイムは定期的に測定し、それを踏まえて目標設定する
タイムを上げる方法として「目標を設定しそこを目指す」のも良いですが、より効果的なのは「測定スケジュールを決め、定期的に測定する」ことになります。
定期的に測定すると自分のタイムの変遷が把握できるので、そこから目標設定でも構いません。目標はあまり直近でなく、3か月後・半年後・1年後くらいで設定すると良いです。期限付きの目標を設定し、その目標をどうやって期間内に達成するか?というプロセスが(仮に失敗であっても)選手の成長につながります。
このように「定期的な測定」と「目標設定」で走力アップを図ります。
◉ 走塁意識を高める仕組みを作る
チーム全体の走塁意識が高めるためには、「そうなるような仕組みを意図的に作る」方法も有効です。
(仕組み例 以下の方針をチームとして徹底するよう伝達)
● チームとして二塁打を増やす ⇒
単打の打球でも、スキをついて二塁打を狙う意識を高める
(一打二進と考え方は一緒になる)
● 投手にボールが戻るまで、絶対に目を離さない ⇒
(コーチャーは指さし確認で現在ボールがある場所を示す)
● 四球でも、走者は全速力で進塁する(球審を見て判断しない) ⇒
暴投・捕逸があった場合に、先の塁を狙える可能性があるため
打者がハーフスイングしたときにその判定は、
プレー後に塁審が行なうため
基本的には、「相手のスキ・少しのミスを見逃さず、先の塁を狙う意識」となります。逆に言うと、守備時はこういうスキを見せないことが重要になります。
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