見出し画像

★【大会・ゲーム戦略】「先攻」「後攻」どちらを取るか?

(このnoteでは、”強い高校野球チームを作る”方法を仮想の高校を見立て様々な角度から具体的にシミュレーションしております。野球に関わる全ての方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。)
「工藤note高校 野球部」甲子園・日本一までのチーム育成プロセス を考える|工藤

高校野球では、試合前に両チームの主将が審判立ち会いのもと じゃんけんを行ない試合の先攻・後攻を決めます。
じゃんけんに勝てば、先攻か後攻か好きな方を選ぶことができます。チームの特色や戦い方に合わせ好きな方を選びます。


一般的に「先攻」「後攻」どちらが有利か?

一般的には「後攻」の方が若干有利であると言われています。理由は、常に相手の攻撃の後に攻撃できるので、相手に取られた点数に応じて作戦をたてることができる ということです。

試合では ”同点の時” ”リードしている時” ”僅差で負けている時” ”大差で負けている時” 等、さまざまな試合状況で攻撃の作戦は変わってきます。
先攻だと、試合が動くまでは「リードを取るため」の作戦しか取れませんが、後攻は、点数を取られてもとり返すべき点数が明確(目標が明確)なので作戦が立てやすいです。
また、同点・ビハインドで迎えた最終回の場合は、後攻は”サヨナラ勝ち”で試合を決めることができます。これは攻撃側と守備側に大きなメンタルの差えお生みます。
   攻撃側 → 一点取れなくても延長戦があるので、
                   余裕を持って攻撃できる。
   守備側 → 一点取られれば負けというプレッシャーの中で
                   守備をしなくてはいけない。
この差は大きいです。

先攻のメリットは”先制攻撃ができる”ということで、先制点を奪うことは後攻のチームの攻撃に焦りを生み出し、それが打ち損じ・ミスを誘うこともあります。

「先攻」の戦い方 初回から・先制点に全力

先攻を取った際のメリットは、「相手よりも先に攻撃ができる」ことになります。

先攻が必ず先制点を取るチャンスがあるのは”初回”の攻撃です。初回は投手の立ち上がりが不安だったり、相手守備陣にプレッシャーがかかります。
先制点を取ることでより一層相手にプレッシャーをかけ、その裏の攻撃にも影響を与えることができます。
先攻で先制攻撃をすることで試合の主導権を握ることができ、優位に試合を進めることができるのは先攻の大きなメリットです。

この考え方は、まともに戦うとなかなか勝つのが難しい格上相手のチームにも勝利をする際に特に有効な考え方です。うまくいけば勝利の確率は高くなります。

「後攻」の戦い方 相手の得点を踏まえて攻撃

後攻を取った際のメリットは、(相手の攻撃後に攻撃できるので)相手の攻撃の結果を受けた攻め方をすることができる 点になります。

基本は「イニングを終えた時に、リードをさせないような攻め方」をすることで、例えば
● 「1点取られていれば、まずは1点を取り返す」作戦
● 「2点取られていれば、2点を取り返す」作戦
という考え方になります。

ただし、「大量失点をしてしまった」場合は一気に大量点を奪うことは難しいので、試合の序盤・中盤であれば「最終回までに取り返す」という判断のもと 1点ずつ取ることに集中する考え方もあります。
ただしこれが試合終盤であれば、(リスクはあっても)大量得点を奪いに行く作戦をとらなくてはいけなくなります。

チームとしてどちらを取るか?は決めておく

チームとして「じゃんけんに勝った場合、どちらを取るか?」は都度その場でキャプテンが考えるのではなく、事前に決めておきます。
チームの戦力・特徴と練習試合での結果(先攻・後攻のどちらのほうが結果が良かったか?)を踏まえ、事前に決めておきます。そのために、練習試合で「先攻」「後攻」どちらも試し、どちらが勝率が上がるか?検証しておくことも必要です。

第106回全国高等学校野球選手権福島大会のデータで検証(2023・2024夏)

福島県高野連OfficialWebsite より

第105回(2023年)・第106回(2024年) 福島県大会で行なわれた全122試合(105回・106回とも61試合)から先攻・後攻別の勝率を調査すると…


ここから先は

643字 / 4画像

¥ 100

よろしくお願いします!