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⚾️大好きな二遊間

一生忘れられない、大好きな二遊間がいる。私の中で、彼らをこえる二遊間は二度とあらわれない。そう言い切れるほどだ。
桜美林大学出身の山野辺翔(現:西武ライオンズ)と沼田涼(現:九州三菱自動車)だ。二人は桜美林大学の初のリーグ優勝、神宮大会準優勝に大きく貢献した。

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写真左:山野辺 翔  写真右:沼田 涼(2016年撮影)

二人は努力の虫であり、多くの練習をこなしたと聞く。そもそも私自身、地道に努力を重ねた、叩き上げの選手が好きな傾向にある。まさにそれに合致した。二人は下級生の頃から頭角をあらわし、出場機会も増えていった。これぞ“阿吽の呼吸”といえる華麗な守備と器用な打撃。惚れ惚れするような活躍に、いつしか桜美林大学には欠かせない最強の『二遊間』となった。

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彼らは大学時代、ベストナインを含めた数々のタイトルを獲得し、その名を轟かせた。しかし、高校時代は沼田も山野辺も甲子園未経験。奇しくも最後の夏は二人とも、松井裕樹率いる桐光学園を前に敗退。両者、松井裕樹から安打を放ったとはいえ、目覚ましい活躍をみせたとはいえない。そんな二人が首都大学リーグで大暴れし、一世を風靡したのだ。

活躍の背景には、血のにじむような努力があったに違いない。リーグ戦で優勝すること。そして、横浜市長杯を制覇すること。神宮大会で決勝まで駒を進めること。どれをとっても容易ではないからだ。私は彼らの真面目さ、姿勢に心を惹かれ、ますますその沼にはまっていったのだ。

普段ストイックな彼らであるが、茶目っ気もある。桜美林大学の引退試合でみせた山野辺の表情はまさにそれだ。

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終始バルーンを離さず、全力で野球を楽しむ山野辺 翔

全国大会も無事に閉幕し、大学のチームメイトと試合を楽しんだ。やり切った4年間を振り返るような、充実した一日だったように思える。

迎えた卒業。山野辺は東海地区の名門、三菱自動車岡崎へ。沼田は福岡に拠点を置く九州三菱自動車へ進んだ。大好きな二遊間がもう見られなくなるのかと思うと、とても寂しい気持ちになった。彼らはそれぞれの道で練習を重ね、必然的にチームの主軸となった。

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写真左:山野辺 翔  写真右:沼田 涼(2017年撮影)

その後、2018年のドラフト会議で、山野辺は埼玉西武ライオンズに指名された。直向きな努力を続けた結果、プロ野球への道を切り開いた。一方沼田は、2020年より九州三菱自動車の主将をつとめることになった。

それぞれの進路で活躍を続ける二人。プレイするフィールドは違っても、私の中では永遠の『大好きな二遊間』だ。いつかどこかでまた、山野辺×沼田の最強二遊間がみられることを楽しみにしている。

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