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頼朝、謎の落馬の真相は。病気か、神罰か、それとも…?第25回「天が望んだ男」見どころ振り返り!【鎌倉殿の13人】
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第25回の感想です。
前回の感想はこちら↓
(※以下、ネタバレ注意)
ひたすら「頼朝の死」にフォーカスされた回でしたね。冒頭から自分の死の場面を夢に見るという展開からスタート。前回のラストシーンや予告からも予想ついてましたけど「ああ、こりゃ今回で頼朝お亡くなりになるのかな」という気配がビンビンに漂ってました。
年間を通したドラマの進行としても、「頼朝が生きた時代」を前半、亡くなったあとの「北条天下の時代」を後半という2部構成で描くなら、時期的にももう6月下旬ですし、ここいらで前半のクライマックスが訪れるんだろうなという予感は前々からあったのですが。
いやぁ、丸々一本分で「頼朝の死」を描き切るなんて。いままで情報量が多い回を続いてましたが、久々にゆっくり落ち着いてホームドラマを楽しめた気がしました。
これも脚本家インタビューでは、三谷さん、こういう風に回答されています。
結局、彼の人生は何だったのか。彼ほど寂しい男はいなかったんじゃないか。彼の最期の1日を丁寧に描くことで、その答えが浮かび上がってくるように心掛けたつもりです
史実でも頼朝の死の原因は落馬によるものとされていますが。それをドラマでどう描くかは、いろいろ選択肢もあったハズ。しかしそれが本当に謎のまま描かれるというのは、ある意味、衝撃でしたね。
ただ、謎なら謎として、そこにどんな真実があるのか、SNSでも考察がいろいろめぐらされていました。
落馬のつい直前まで、安達盛長(野添義弘)と共にしみじみ昔話に興じていた頼朝(大泉洋)。話の途中で呂律が回らなくなり、急に手をプルプル震わせます。
「落馬」と「病気」という説は、それぞれ「吾妻鏡」、「猪隈関白記」という資料に載っている頼朝の死の原因とされていますが、確かにこれらをミックスしたような描き方になっていましたね。
ただ、ドラマではそのあとで、ザワザワと木々のざわめきが聞こえたり。まるで神罰がふりかかったような描写も。番組の後の『鎌倉殿の13人紀行』では、「義経の亡霊を見て驚き、落馬した」という一説も語られていました。
ドラマの中でも頼朝が「くろう(=九郎・義経)」と言って落馬しているという指摘をSNSでされている視聴者の方がいましたが。これ、実は「とうくろう(=藤九郎・安達盛長)」だったということが俳優さんのインタビューにて判明。
頼朝が馬から落ちる直前、かすかに聞こえた「藤九郎」(盛長の別名)。台本になかったこの台詞は大泉が提案した。
紛らわしいやんけw
まぁ、でも見た人によっては「九郎」とも「藤九郎」ともどちらとも取れるような、逆に良いシーンになったとも言えます。
ただ義経の描写はドラマの中には無くても、冒頭で阿野全成(新納慎也)ちゃんが言っていた陰陽五行の禁忌(でまかせも含む)をほぼ犯していたという指摘もありました。
相性の良くない色は御自分から遠ざける
久方ぶりの者が訪ねてくるのは良くないことの兆し
御自分に恨みを持つ者の縁者に気をつける
昔を振り返るな
人に先を託す
仏事神事は欠かさぬ事
赤子を抱くと命を吸い取られる
こんなにたくさんの禁忌(→死亡フラグ)をよう踏めるわ、と言いますか(笑)。まぁこれもドラマ作りの面白さですね。それで最後は「抗ってどうする!」と開き直ったところで落馬。コメディとしてとらえたら、キレイにオチが付いた、という印象さえ受けます。
そして、病気・神罰に代わるもうひとつ、恐ろしい死因がSNSで語られていました。実は、ドラマのラストシーンで虫の知らせとして御家人たちなど一人ひとりの人物に「リーン」という鈴の音が聞こえるのに、主人公・北条義時(小栗旬)の耳にだけ、この音が聞こえていなかったというのです。
すごく怖いことを言います
— ルルフ星人 (@hervorruf) June 26, 2022
鈴の音が「義時にだけ」聴こえていません
#鎌倉殿の13人
そこから、ひょっとしたら義時は頼朝の死を事前に悟っていたのでは→直前に頼朝に渡した水に毒を盛って殺したのではないか、という説です。
まさかそんなことがあるだろうか……確かに、最初は水汲みを政子(小池栄子)に頼んだのに、わざわざそれを制して義時が行った、という描かれ方はしています。
そして、その直前の、頼朝とりく(宮沢りえ)の会話。
「時政は、わしのことをどう思っておる?わしを殺して、鎌倉を我が者にしようと思っているのではないか?」
「そんな大それたこと、考えてくれたら嬉しいのですが」
これは、時政(坂東彌十郎)にはその心が無いことを証明する一方で、義息・義時に願いを託した言葉だったとしたら……。
ただ、この時点の義時がそんな大博打をしかけるような心境だったかどうか。そもそも上で紹介した三谷さんのインタビューでも「暗殺死」というのは否定されているところだったのですが。
誰かに殺されるとなると、そこには殺す側のドラマが生まれてくる。あくまでも頼朝側のドラマとして完結させてあげたいという思いがありました。そうやって色々と考えていくうちに、静かに死なせてあげたいな、と。
しかし別のインタビュー記事では、こうも答えられているんですよね。これから義時がダーク化していくのは史実に沿うとそうなのですが、脚本づくりとしてはそこから逆算しているわけではないし、少なくともこの25回時点の義時の感情はわからない、と。
25話の時点で義時がホワイトとブラックの間のどの辺にいるかは、僕にも分からないし、この後どうなっていくかも実はよく分かっていません。それは義時自身と僕と小栗さんで見つけていくという感じです
これは、場合によっては「実はあのとき、義時が暗殺してたんだよ」と転じる可能性もある、ということ……?
いやいやいや、まさかまさか!とは思いたいですが……。
ただ、名作と言われるドラマには、時として制作者がまったく意図しないような汲み取られ方をする場合もあるというもの。言うなれば「信じるか信じないかはあなた次第です」という、都市伝説的なやつですよね。
そうした見方ができる余地が残るのも、またドラマの見方として面白いところなんじゃないかな、と思うんですよね。
とにかく、次回は大荒れ。まだ予告を見る感じでは、比企が「鎌倉殿が死ぬぞ」と言っており、実は25回放送終了の時点で頼朝は死んでいなかった?と思うのですが……まぁ26回の冒頭か、前半パートぐらいで死ぬでしょう(笑)。
そこでいよいよ比企と北条のバトルが勃発。
ようやく北条家に馴染んできたかに思える比奈(堀田真由)ちゃんはどうなるの!?ってところで、もう目が離せんですよ……!