マガジンのカバー画像

逆噴射小説大賞個人的感想覚書まとめ

11
逆噴射小説大賞のピックアップ感想記事をまとめたものです。珠玉のパルプ小説の数々を紹介してあります。 ©Photo by Ugur Akdemir on Unsplash
運営しているクリエイター

記事一覧

逆噴射小説大賞2021個人的感想覚書

 逆噴射小説大賞2021に投稿された中で個人的なおススメを覚書的に書き留めておく。随時更新できればいいな、って。 【#01】 【#02】 【#03】 【#04】 【#05】 【#06】 ジビエのレシピは信じない 緊張感のある逃避行。王道の展開。800字という制限がかかっているなか、必要最小限でパルクールのアクションシーンなどもこなしている。すごい。設定も魅力的。人と動物のキメラということは、このあと『テラフォーマーズ』や『キリングバイツ』のように、人間以外の生物の能力を持っ

逆噴射小説大賞2021個人的感想覚書 #02

 ひとつの記事を随時更新しようと思ったら、数があまりにも多くなってしまったので、複数記事で溜まったら投稿する感じで行こうかなと。 【#01】 【#02】 【#03】 【#04】 【#05】 【#06】 秤は天地のいずこにありや?  まず冒頭のエピグラフでがっつりと心を掴まれた感がある。単なる殺人事件を解決するミステリィだと、まあ、焦点はだいたい誰が殺したのかという部分に集約しがちではあるが、ここで「解決権の奪い合い」の要素が追加されたことでBATTLEの文脈が出来てくるので

逆噴射小説大賞2021個人的感想覚書 #03

 第3回。紹介していきます。  3回目になってから言うのもなんですけど、結構ネタバレなので閲覧の際は注意してください。 【#01】 【#02】 【#03】 【#04】 【#05】 【#06】 イヴの葬送 強烈なヴィジュアルがバシッと決まった作品。  とにかく映像面がひたすらに強烈だ。  夜の街を歩く男、片手には女の腕――。  強い。このヴィジュアルをオープニングで読者の頭の中で再生させることができたのなら、もうこの小説は勝ちである。  そして、男が夜に歩いていれば決闘が始

逆噴射小説大賞2021個人的感想覚書 #04

 というわけで、第4回です。紹介していきましょう。  すぐに紹介し切れるやろって甘く見てたら、次から次へと名作が投稿されて全然終わらねえんだよなぁ……。 【#01】 【#02】 【#03】 【#04】 【#05】 【#06】 銀の網  お、おもしれぇ~~~~~~!!!  と、思わずディスプレイの前で叫びたくなるほど面白かったです。なんというか、私の貧弱な語彙では上手くこの面白さを説明しきれないんですけど、たぶん小説というものの本質と言うか、小説というメディアの強みを200

逆噴射小説大賞2021個人的感想覚書 #05

えー、秋雨のみぎり、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 第5回、やっていきましょう 【#01】 【#02】 【#03】 【#04】 【#05】 【#06】 輪郭線上のアリア  シュールレアリスム系のネタって、わりと取扱いが難しい気がするんですよね(小説に限った話ではなく)。兎に角理不尽でシュールな展開にするだけだと、読んでる方としても「……で?」という反応になってしまったりするんですよ。しかも、逆噴射のレギュレーションだと800字しか書けないので、その意味でも難易度は爆上

逆噴射小説大賞2021個人的感想覚書 #06

 なんか急にすっごく寒くないですか? 秋どこ?  みなさん体調にはくれぐれも気を付けてください。  第6回、やっていきましょう。 【#01】 【#02】 【#03】 【#04】 【#05】 【#06】 ↑バックナンバーが読めます。 十束神剣百鬼夜行千本塚  不死。そして、妖刀。幼馴染のくのいち(全裸)。浪漫がぎっしり詰まった冒険譚が始まりそうな予感がする。  ――実は、エンタメにおいて、絶対に外れない黄金法則がある。できればこれはおれが自分の胸の内に抱えて置きたかった真

逆噴射小説大賞2021個人的感想覚書 #07

 えー、投稿期間が終了しましたね。  参加者の皆さん、お疲れ様でした。(言うのがだいぶ遅くない?)(え? 2021年終わってる?)(というかもう1月が終わりそう?)(嘘じゃろ?)  感想覚書、第7回やっていきましょう。 【#01】 【#02】 【#03】 【#04】 【#05】 【#06】 【#07】 デビル・ミーツ・ガール 少年と少女が出会う、王道のボーイ・ミーツ・ガールもの……の香りをタイトルで匂わせて置きながら、いきなり始まる血飛沫&レイプ(未遂)。血生臭い殺戮で幕

逆噴射小説大賞2022個人的感想覚書

 今年もやってきた。何がだ?  逆噴射小説大賞の季節が、だ。  知らない人の為に一応説明をすると、『逆噴射小説大賞』というのは、小説の冒頭の800字を競う最強の大会の事です。  今回もたくさんパルプ小説が投稿されているので、現時点でピックアップをしつつ、備忘録的に感想を書いていこうと思います。  ガッツリネタバレあるので、注意してください。 【#01】 【#02】 ロストジャイブ 計画と、取引と、裏切りと Q eND A【キューエンドエー】

逆噴射小説大賞2022感想覚書 #02

 寒い日が続いておりますが、皆様体調はいかがでしょうか。  休日は布団にくるまりながら、逆噴射小説大賞に投稿された作品を読み漁る一日を過ごしております。 【#01】 【#02】 泥と鯨のワルツ Dragon's Rest(ドラゴンズレスト) 水底の教室 女神の疾走 とにかく読み味が爽快で読んでいてスカッとする作品。タイトルにある通り、疾走感を持って小気味よく進んでいくエピソードは、スピード感があり、多分この先も読んでて絶対に退屈しないんだろうなという期待をもたらして

逆噴射小説大賞2023個人的感想覚書

 今年もやってきた。  何がだ?  年に一度のお祭り、『逆噴射小説大賞』の季節が、だ。  きっとこの記事を読んでいる奴らなら当然知っているとは思うが、念のため、補足をしておくと、逆噴射小説大賞とは、「小説の冒頭800字のみを投稿するコンテスト」のことだ。800字で完結する短編、という意味ではない。そのあとさらに続く3000字のショートショート、2万字の短編、4万字の中編、10万字の長編、あるいは、200万字を超える一大巨編シリーズ──それらの、書き出し800字だけを切り取り、

【再掲】逆噴射小説大賞2023個人的感想覚書 #02

 今年も残すところあと2か月になりましたね。  嘘だろ?  逆噴射小説大賞の応募期間が終了しました。  2発撃ち切ったパルプスリンガーの方も、そうでない方も、みなさんお疲れさまでした。  有志の方(ジョン久作先生)がまとめてくれたデータによると、今年の作品は290ほどだそうです。  一応全作品目を通したかなと思うんですけど、そう考えると290作品×800文字=232000文字って事!?  気が付かない内に、長編小説2本分くらいは読んでしまっていたんですね……。  今日も