何年経ってもお前の生まれた時代を愛せよ
KICK THE CAN CREWが好きでした。
みなさま彼らをご存知でしょうか。
10代の私が好きで仕方なかったアーティストです。
直訳すると「缶を蹴るヤツら」な3MCグループ。
って20年前に歌ってた、3人組のHIPHOPの人たちです。
復活前の公式動画がないようで「まずこれを聴けェ!」が難しいのですが、なんと2017年に活動再開してくれたようで、最近の曲はYoutubeで公式イケます。
漫画、音楽など、この数年「続編」「復活」などが世に溢れていますが、ありがちなのが「昔の方が良かった」「自分がハマれなくなっていることに気づいた」など、提供側か受け取り側の鮮度というのか彩度というのか、感覚的な残念感。
ただ、KICKの復活に関しては私はそれが全くなく「久々に聴いたけどやっぱカッコいいな」という、10代のあの日の延長のような感覚でした。
ハマったきっかけ
あまり詳しく覚えてないのですが、おそらく冒頭の「上がってんの?」がテレビのランキングから聴こえてきたのが記憶の原初。
「カンケリ」「ONE WAY」のビル系MVがカッコよかったし、「クリスマス・イブRap」は山下達郎の曲をそんな感じ(サンプリング)にしていいんだ…!って驚いたし、親が「歌ってより喋りやんこれ」って理解を示さなかったラップの速さに惹かれたし、HIPHOP的な手のアクションもどんな人気バンドのMVよりイケてると感じました。
要するに「HIPHOPって好きかも」と初めて音楽ジャンルに興味を持たせてくれたグループがKICK THE CAN CREW。
見つけた非公式動画。当時大先輩だと思ってたけど今見返すとみんな年下になってて可愛い。よく喋るKREVAと微笑むMCU。エエ子なLITTLE。
当時KICK好きが周りに2人ほどいまして、話せるのがめちゃくちゃ楽しかった。同志の存在も、好きが深まった原因かもしれません。
部活終わりに「明日発売やん!!!!」的な会話したりとかステッカー大事にしたりとか。
(その後上京した18歳で、当時連絡不精で縁の大切さもわかってなかった私は東京生活にかまけて彼女らとはすっかり疎遠になってしまったオチ)
時代を超えた気づき
昔ハマった曲を再度聴くと、いろんな気づきがないですか。
私に関しては
10代はメロディ、アラサー以降は歌詞
という観点で、カッコよさに惹かれてます。つまり、自分の視点や経験値の変化を顕著に感じます。
10代ってのは自分の未来が無限大で想像も付かなかったころ。
だから憧れの対象であるアーティスト達も余計にキラキラとしてハンパねー存在に見えて。自分より年上で洗練されて弱点なんてモチロン無い、スーパースターでした。
そのころの音楽は見た目のカッコよさ、メロディのカッコよさ、カラオケで歌えるかどうかなどがメインで鑑賞してたなと。
一方、大人になって再度彼らに出会うとやっぱりすごかったな〜〜と思うんですけど、何より「昔なんとなく口ずさんでた歌詞のあまりの深さ」に驚くことがしばしば。
こんな深いこと言ってたんかぁ…と。
昔好きだった作品にたまに帰ってくる。
新しい気づきと自分の変化に気づく。
そんな帰ってこれる場所として、昔の「自分の琴線に触れたモノ」の存在はありがたい。
自分が子どもを育てる時代が来たら、思いっきりいろんなモノに触れろ、と伝えたいと思います。
それだけでも十分感慨深いのに、KICK THE CAN CREWは復活して一緒に今の時代を走ってくれてるわけで。ありがとうがすぎます。
KREVAとMummy-D、声がすごい好き。
HIPHOP好きかもと思ったあの日のその後
KICK THE CAN CREWで「あー私の好きな音楽これかも」と思ってから、派生して聴くようになった音楽はいくつもありました。
どれがHIPHOPでどれがそうじゃないみたいなHIPHOP論にあまり興味はなくて、「私が好きなら正解」論でゆるく楽しんできた音楽ばかり。
大人気だったグループもあれば、1曲が世間の大衆に知られたグループもあります。これが私の音楽遍歴。
m-flo▶「miss you」で知り、CHEMISTRYとの鉄腕アトムコラボ「Astrosexy」も好き。
SOUL'd OUT▶「ウェカピポ」で大衆に知られた記憶。「Magenta Magenta」始め聴き取らせる気がないラップが好き。「時代より早すぎた。逆にダサい」と一部に評されてるところも含めて好き。
RHYMESTER▶KREVAコラボから知ったグループ。「ザ・グレート・アマチュアリズム」の「偉大なるアマチュア ドシロウト 止まらない初期衝動」な。
nobodyknows+▶「ココロオドル」が大衆に知られててカラオケでは助かる。「SUMMER」「ススミダス→」好き。
ケツメイシ▶「トモダチ」は大人になったら感慨深いんだろうなぁと思ってたけど想像の通り。
RIP SLYME▶「Super Shooter」「JOINT」で当時MAD作ってる人がいて。カッコよかったので今年私もやりたい。
The First Takeというチャンネルのおかげでnobodyknows+とヒカキンのコラボも聴けたのも、Youtubeがある今の時代ならではの恩恵。
新しいVer聴けるってすごいことです。
nobodyknows+のMV一時期探して無かったんだけど今見たらソニーが「SUMMER」出してくれてた…!
海外だとThe Black Eyed Peasが好きになり、ファーギー時代にめちゃくちゃ聴いていて、ライブも2回ほど参戦。
ニュースを翻訳してくれてたブログ、よく見ていたなぁ。
最近だとCreepy Nutsですかね。
これから30代に刺さっていく代表だと思ってます。
何年経ってもお前の生まれた時代を愛せよ
ジェネレーションギャップ、という言葉があります。たとえば5-10歳下の相手に「あ〜この言葉通じないのか」「この曲知らないかぁ」的に感じるアレ。
私は若手という言葉がそんなにしっくり来ない人です。
漫画家を夢見ていたころは「10代後半でももう遅い理論」をよく目にしたし、経営の世界では「40代50代で若手と呼ばれてる」と聞くしで、進む世界によって物差しがそれぞれすぎるからかもしれません。
高校3年生のころは「ウワーもうスラムダンクの赤木の年か」と先輩を追い越す喪失感を感じたし、2023年に76歳の経営者のスピーチを聞いて「30代なんてほんとにひよっこ以前だな」とも感じたし。
コミュニティの広さやそこの年代の幅、考え方感じ方によってホントに所感が変わります。
ちなみに厚労省とかを参考にすると「青年」は15~24歳、「壮年」は25~44歳、「中年」は45~64歳とのこと。
※壮年期が思ったより広すぎて驚きました。
ジェネギャって言葉には、SNSの発信や周りの人の発言を聞く感じ「自分が若者でなくなってしまった喪失感」のニュアンスを感じてるのですが、「喪失感」のところは要らないかな〜というのが持論です。
単なる世代の隔たり。
どんな時代でも「自分はコレが好き!」で、いいじゃないかと。好きなものが過去になって寂しくなっても、知ってる同志が身の回りに少なくなっても、それぞれの昔に当時でしか得られなかった感動があったに違いないわけで、ジェネギャはむしろ「俺たちの時代は〜」をお互い語れる面白い要素。
ましてや今はYoutubeもあるしSNSで世界中の同年代と繋がれる。
新旧の楽曲が時代関係なく楽しめる。
もっと自由にいろんな世代の「これ良かったぜ」が流通すると面白いな〜と思います。
最後に
KICK THE CAN CREWが好きです。
みなさま彼らをご存知でしょうか。
10代の私が好きで仕方なかったアーティストで、
30代の私が好きでワクワクさせてもらってるアーティストです。
今回「自分の好きなものってなんだろう」と、棚卸ししたいと思い、noteの画面を開きました。
大人だからこそ、好きなものにワクワクしてる毎日で行けたらいいなと思ってます。
10代の頃憧れたのは、カッコいいアーティストでもあったし、「ワクワクして自分の時代を生きてる大人」でもあったから。
最後に新しめのKREVAをどうぞ。feat. ZORNのタンポポとクラフトが良い。
20代の曲も好きだけど40代の曲もカッコよすぎて、「イイ」しか出ない。語彙が死んだ。
本日もありがとうございます。