漫画から学ぶ仕事論05:シバトラより「信じ抜く」
久々に感銘を受けたセリフがあったので書いてみます。
「シバトラ」
少年マガジンで2007-2009年に連載されていた、
中学生にしか見えない童顔警察官「竹虎」が念願の少年係に配属され、
非行少年少女の立ち直りに真摯に向き合う物語。
漫画ならではというか、主人公が22歳にしてあまりの童顔に、中学校や少年刑務所に潜入捜査に入れちゃったり、
非行少年少女も、親を殺そうとしたり自販機ぶっ壊したり爆破したりとトンデモ展開。
作画の朝基まさしさん(マイホームヒーローも描いてる人)の絵がとにかく上手いのでより一層、こえー!と思いながら、ついつい見入っちゃう。
その中でだんだん過去に事件や未遂を起こした少年少女達が改心して、竹虎の仲間になっていくのですが、
その理由が本当にタイトルのそれで、竹虎の「信じ抜く」姿勢から。
事件が解決したら終わり、逮捕できたら終わりではなく、
なぜその行動に至ったのか、内面でどういうことを考えているかまでとことん向き合うし、最後まで決して手を離さない。
絶対に更生や、自分自身と向き合うことができると信じて関わっています。
相手は思春期まっさかりの少年少女なので、それだけ衝動的な動機や事件も多く、「私だったらとっても向き合えねぇやこれ…」と思ってしまう。
でも、竹虎の圧倒的に無防備に信じてくれる姿を見て、
その登場人物も気づけばまっとうな道に軸を戻し始めます。
私も人とコミュニケーションを取ることが多い仕事をしているので、
(対大人だとしても)この姿勢は見習わなきゃなぁと思います。
人って思った以上に「思っていることは伝わる」のは誰しも実感あると思います。
言葉にしなくても、嫌われていればわかるし、疑われていればなんとなく感じる。
信じるって、言葉にする以上に伝わることだなと。
芯から信じる力があること、
芯から信じてくれる相手がいることって
現代においては財産と呼べるほど貴重なことだと思います。
そして作中で、特に印象に残ったセリフが2つ。
「人は人に出会うことでしか変われない」
「人が立ち直るためには、きっかけになるような出会いが必要」
SUPER BEAVERというロックバンドがありまして。
「人として」という1曲しか知らない、にわかにもほどがあるレベルでしか存じ上げないバンドなんですが、
友達に聞かされた歌詞の一節に
「信じ続けるしかない、愛し続けるしかない」ってあるんです。
(歌詞めっちゃいいので検索してみてください)
人ってホントに果てしなくて、それぞれに個性がありすぎて
思いっきり与えられて驚くこともあれば
思いっきり裏切られて泣くこともある。
それでも人とともに生きていくこと、かっこよく生きること、を歌ったときに結局「信じ続けるしかない」という。
シバトラも、近いテーマを感じました。
自分自身は仮に裏切られても、人の失敗に指差すことなく信じ抜く。
出会いで人は変わっていく。
というわけでシバトラ、
そういう信じる信じないの道徳観念を抜いたとしても普通に事件に次ぐ事件でめっちゃ面白いのでぜひ読んでみてください。
私が「人を大事にする」という観点で立ち戻る本を決めるなら、
自己啓発なら「人を動かす」、
小説なら「海賊と呼ばれた男」、
漫画なら「メンタル強め美女白川さん」「シバトラ」になりそう。
実際に人を大事にできる人になるために、
漫画の力も借りて軸を定めていきます。
本日もありがとうございます。