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#8 バルサスポーツ心理学: リーダーシップの難関。チームの良い雰囲気作りのためにリーダーが学ぶべき3つの核となる要素

はじめに

前回の記事で、リーダーシップにおいて
生産性、グループの雰囲気、個人の成長
の3つの主な局面があること、そしてその1つである生産性について説明しました。
今回は2つ目の「グループの雰囲気」に触れていきたいと思います。

そもそもグループの雰囲気とは何か。
「グループの雰囲気とは、グループの生活に影響を与える内外の要因から生じる社会的および物理的環境のことです。」(Contrearas,2012,p.1)

上記の3つの局面は手をつけるべき順番通りに記述されており、グループの雰囲気はチームの生産性向上を達成してから取り組むべき局面です。

本文でも紹介しますが、グループの雰囲気は生産性とも大きく関わっています
まずはその関係を含めた、グループの雰囲気の重要性から見ていきます。


なぜリーダーはグループの雰囲気向上に取り組むべきなのか

前述の通り、ハイパフォーマンスリーダーはチームの生産性向上の達成後にグループの雰囲気に取り組むべきです。
グループの雰囲が向上するメリットを以下に紹介します。

  • 向上した生産性に持続性をもたらす。

  • 生産性が落ちたとしてもその回復を促進する。

  • チームに安定感をもたらす。

  • 各チームメンバーの楽しみと集中力を高める。

  • チームメンバーの成長を促す。

  • 際立った対立のない、日々の強いチーム内交流を可能にする。

  • チームメンバーの積極的な取り組みを促進する。

  • チーム内での帰属感と同一視を高め統制を取りやすくする。

これらのメリットをもたらすグループの雰囲気ですが、核となる以下の3つの要素によって構成されています。

  • 共存のための内部規範

  • 社会的結束とタスク結束

  • グループ内でのコミュニケーション

ひとつ目の「共存のための内部規範」から解説していきます。


共存のための内部規範

なぜリーダーシップには規範の設定が必須なのか

規範とは行動パターンやその実行パターン、信念のことです。
グループでは公式または非公式にも規範を設定することが可能で、それぞれに特定の期待と行動が伴います。
そのグループ規範に従わなければならないという圧力を人々が感じることで、メンバーの行動を形作ると考えられています。

規範は役割と共にチームの中心的な構造を形成します。
役割は生産性を生み出し、規範は安定感をもたらします。

そのため、リーダーはチームの内部規範を適切に管理することが求められます。
チームの安定感は以下の状況で失われます。

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