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【ストレスフリーの会話術】人の話は聞かなくていい

会話術について、書籍を読み漁ると、
共通して出てくる手法は、
「人の話をよく聞きましょう」
「自分が話すより、相手に話させましょう」
というもの。

なるほど確かに、
人はみんな、相手の話を聞くより、
自分が話したくて仕方がない。

だから、相手に喋らせるというのは、
理にかなっているし、
相手の情報を聞き出せるしで、一石二鳥。

…なんだけれど、
これって本当に一石二鳥?
というのも、相手のつまらない
自分語りを延々と聞かされ、
最悪な場合、自慢・マウント話を聞かされると、
ストレスフルなこと、この上ない。
そんなストレスに耐えないと、
良好な人間関係は作れないのだろうか?

このように思うきっかけとなったのは、
筆者が職場の人との雑談に
ストレスを覚えるようになったこと。
職場に入りたての頃は、
雑談に付き合うのも仕事のうち、と思って
聞き役に徹していたけれど、
徐々に疲弊していった。
相手と同じく、私も人間なので、
人の話を聞くより、自分が話したいのだ。

良識がある人だと、自分が話しすぎたかな?
と思った場合、相手に話を振ったりするものだけど、
自分が話したいという思いが強すぎる人の場合、
そのような考えに至らないようだ。

ただ、そもそも、
人は自分のこと、もしくは
自分に関係があることにしか関心がない。
筆者の話を聞かされるのも、
他人から見ると苦痛なはずで、
他人に苦痛を強いてまで、
自分の話を聞かせたいかと言うと、
これもまた、なんかしっくりこない。

相手の話を聞く代わりに、
私の話もしていいよね、
お互い様だよね、という考えもあるだろう。
ただ、筆者は、相手の話を聞くという苦痛に耐えてまで、
自分が話したい、というわけではない
のだ。
また、多くの場合、話す割合が綺麗に1:1に
保たれるかというとそうではなく、
片方に聞く負担が偏って、ストレスを産む。

このような思いを抱えながら、
会話術の書籍を読み漁っていたところ、
ある一冊と、奇跡的な出会いを果たした。

興味もないのに相手の話を聞くふりをしたり、
聞いてもいないのに相槌を打ったり、
理解してもいないのに相手の言葉を反復したり、
そんな会話術が人間同士が正直に向かい合う態度といえるだろうか。

これだ、と思った。
9.9割の会話本には、
いかに、相手の話を聞いて(いるかのように見せて)
相手を動かすか、と言う内容が
つらつらと並べてあることが多い。
もちろん、心から相手の話を
聞ける人もいると思うけれど、
極めてまれな事例だろう。
話を聞くことで、
それ以上の利益を引き出せることが
確定している場合に限るのではないか。
(商談など)

「相手はあなたに興味がない」
「あなたも相手に興味はない」

これが真理なのだ。
何度でも言うけど、
人は自分のことにしか関心がない。

仮に他人のことに関心が向くとしたら、
不幸話や失敗話などの、負の内容であり、
その理由もまた、他人をかわいそうに思うことで
相対的に自分の幸福度を再確認したいから
であり
(人の不幸は蜜の味)
結局は、自分に関心があるということに違いない。

他人に興味を持たれる職業の、
芸能人やスポーツ選手だって、
人が興味を持つのはその「芸」であって、
「芸」抜きのその人自身に
興味があるかと言うと違うだろう。
(だから、孤独に陥る芸能人が存在するのだ)

つまり、自分の話も相手の話も、
会話のネタとしては不適当。
では、何を話せばいいのかというと、
「外部のこと」。
天気や、飲食店で会っているなら、
目の前に出てきた食べ物のことなど、
一緒に見ている「景色」のことが適当。
それをフックとして、
会話を広げていくと良いのだ。

このように考えると、
天気の話は、極めて無難で
汎用性の高い話題である
ことが理解できる。
天気の話から上手く膨らませられるかは、
話者の教養が試されるけれど、
天気の話においても、
自分や相手の話は、する必要がないのだ。

この考えを知って、
会話に関する苦手意識が、
格段に払拭
された。

と同時に、筆者は他人から、
つまらない話をくどくどと
よく聞かされることに悩んでいたのだが、
懇切丁寧に聞いてしまっていた、
筆者の側にも理由がある
ことを理解できた。

壁に向かって、
ずっと話し続けられる人がいないように、
聞く人がいるから話すのであり、
気を回して、軽妙な相槌をうったり、
的確な質問をしたり、といった
行動を聞き手が取らなければ、
話者は自然と黙るのだ。

「相手に興味を持ちましょう」
などと書かれた会話術の本は、
今すぐ破り捨て、
相手の話を聞くことは、やめよう。
その代わり、自分の話もしなくていい。
話すならば、相手でもなく自分でもなく、
「外部のこと」に着目して、話を広げよう。

ちなみに、筆者はこの本に出合ってから、
職場の人が繰り出す、つまらない話は
ほぼ全て回避して、「外部のこと」に
話題をずらすように努めている
が、
本当にストレスフリーになり、心に平安がもたらされた。
具体的な手法については、別記事にするかもしれない。


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