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日韓同時刊行!アジアで活躍する9名によるアンソロジー

急遽母の入院先から主治医が会いたいと電話が入りました。
午後1番に面談、食欲不振で元気がなくなってきたというので、一通りの検査をしたのでその報告と、もしもの時の延命措置についての説明と承諾書の署名を求められました。高齢なので、自然に任せてほしいとお願いしてきたところです。

さて、このところ家の中で過ごしているせいか、眠りが浅く、1時間ほどしか眠れません。そんな時はやはり読書です。今回はこんな本を読んでみました。

読んだ本の紹介

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出版:2022年12月16日 小学館
単行本:416ページ

この本を選んだ理由

韓国の作家チョン・セラン氏が提案した「絶縁」というテーマに村田沙耶香氏が「しびれるテーマである」と快諾し始まった、アジア各地9人の作家が集い出来上がったアンソロジーということで、読む機会の少ないアジアの国の作家の作品に興味がありました。

あらすじ

突如若者に舞い降りた「無」ブーム。世界各地に「無街」が建設される。(村田沙耶香「無」)
夫がさりげなく口にした同級生の名前、妻は何かを感じとった。(アルフィアン・サアット「妻」/藤井光・訳)
ポジティブシティでは、人間の感情とともに建物が色を変える。(ハオ・ジンファ「ポジティブレンガ」/大久保洋子・訳)
先鋭化する民主化運動の傍らで生きる「あなた」たちの物語。(ウィワット・ルートウィワットウォンサー「燃える」/福冨渉・訳)
都市に走った亀裂、浸透する秘密警察、押し黙る人びと。(韓麗珠「秘密警察」/及川茜・訳)
ブラック職場を去ることにした僕。頭を過るのは死んだ幼馴染の言葉だった。(ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」/星泉・訳)
家族の「縁」から逃れることを望んできた母が、死を目前にして思うこと。(グエン・ゴック・トゥ「逃避」/野平宗弘・訳)
3人の少年には卓球の練習後に集う、秘密の場所がある。(連明偉「シェリスおばさんのアフタヌーンティー/及川茜・訳)
6人の放送作家に手を出した男への処罰は不当か否か。(チョン・セラン「絶縁」/吉川凪・訳)

Amazon紹介より

感想

同じテーマのもと、異なる国の作家が物語を書くというこの試みは成功し、どれも力作で、それぞれの国の今を反映していて、とても面白かったです。もちろん村田沙耶香さんの作品も、いつもながらの独特な語り口でこのテーマをうまく表現していたと思いました。
そして複数の国の作家が今なお残る差別について作品で鋭いていて、同じアジアに住む人間として、早く解決できればと願いました。

今日もお疲れさまです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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