好きにやってごらん。と、そういうことだ(40-50)
今日も持病の通院後、色々となんとなくバタバタしていましたが、皆さんにやっと本を紹介できるので、ホッとしています。
今日読み終えたのは、韓国文学界で高い評価と人気を得ている作家の一人、パク・ミンギュの作品です。
韓国プロ野球の創成期、圧倒的な最下位チームとして人々の記憶に残った三美スーパースターズ。このダメチームのファンクラブ会員だった二人の少年は大人になり、IMF危機と人生の危機を乗り切って、生きていくうえで最も大切なものは何なのかを知る―。韓国で20万部超のロングセラーとなっているパク・ミンギュの永遠のデビュー作!(「BOOK」データベースより)
韓国にプロ野球が誕生、主人公の少年「僕」がファンになった地元球団「三美スーパースターズ」は負け続け、数々の不名誉な記録を残し、わずか数年で球団は消滅するのですが、負け犬球団のファンだった「僕」も一流大学に入り、一流企業に就職した勝ち組のはずだったのにリストラに遭い、やがて子供の頃夢中になった「三美スーパースターズ」の記憶から、負け組の仲間たちと一緒に草野球チーム「三美スーパースターズ」を再結成するという、韓国の変転激しい政治と経済の現代史を背景に描かれた、みじめで、悲しい場面でもユーモアで生きるという、現代人への応援歌のようなデビュー作です。
韓国プロ野球のことも知らず、日本プロ野球でさえわからないことも多い私が、主人公の軽い語り口で野球が語られることに、実はついていくのが大変でしたが、物語が野球ファン、それだけでないということが徐々にわかるにつれ、著者の書くジョークもついていくことができるようになり、読み終えることができました。
生きるって大変なことなんだと、僕は思った。
中学に進学した主人公が、父との食事の後、こう生まれて初めて思ったことはまさに彼のこれからを暗示しており、草野球チーム「三美スーパースターズ」が再結成される頃には彼もいろいろな経験を経て、こう思うのです。
好きにやってごらん。と、そういうことだ。
まさに年齢に関係なく、背中を押してくれるセリフです。
この作家を紹介されている方の中には、この著者の作品を読むにはそれなりのエネルギーがいると書いておられる方がありました。
確かにそういう面もありますが、逆にエネルギーをもらえる面を持っていると私は思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
金曜日ですね。どうか有意義な週末をお過ごしください。
今日のバックミュージックは今年売り上げNo1(?)のアルバムでした。