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 共感と距離感の練習

あちこちの読書サイトで高評価を得ていた作品なので、図書館に予約して借り読み終えました。

初めて物語の中に私に似た人を見つけた日のこと、東京とソウルで参加したプライドパレードのこと、日本の同性婚訴訟やパートナーシップ制度のこと、同じ時代を生きている/生きていたクィアのこと――誰かの痛みや怒りや悲しみが、まるで自分のことのように思えることがある。乳化した水と油のように混ざり合ってしまう。だけどあなたはあなたでしかなく、私は私でしかない。他者同士である私たちが、重なったりずれたりしながらともにあるための、「共感」と「距離感」。その可能性と難しさについて。
「わかる」なんて簡単に言えない、「わからない」とも言いたくない。
ゲイとして、シスジェンダーの男性として、著者が日常の中で直面したエピソードを描きます。
“共感も距離感もうまく使いこなせない。だからこそこだわってしまうのだろう。なんとか組み合わせて、練習しながら上手になっていきたい。混ざり合った世界と分離した世界を同時に生きるように。言葉にならないものと言葉を重ねて一つにするように。”

とても理解するのに難しい作品でした。

「わかる」なんて簡単に言えない、「わからない」とも言いたくない。

著者はこう語りますが、私は素直にジスジェンダーと言われても「わからない」と答えます。

ただジェンダーの違いによって、誰かが生きずらさを感じるのは許せない気持ちになります。
私のように理解不足の者こそ、共感も距離感も上手く使いこなす必要がある
と今感じています。

この作品が多くの人に読まれるということは、日本もいろいろなジェンダーが存在しているということですね。年老いた私もまだ知るべきことが多いと改めて思いました。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今週も始まりました。初雪の便りもありました。まさに初冬です。

#シニア #田舎暮らし #今日のつぶやき #小沼理 #柏書房 #共感と距離感の練習 #ジェンダー #読書感想文

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