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「ヒカリノオト」を読み終えて

昨日は酷かった頭痛も今日は少しマシになったので、午前中一気に読みかけていた作品を読み終えました。

ふがいなくて泣いたことも、無我夢中で取り組んだことも、あんなに大切だった人も、すべて忘れてしまったはずのことが、あの曲を聴いただけで、思い出せるのはなぜだろう。
大ファンだったアーティストの担当になったものの、努力が結果に結び付かず苦悩する若手レコード会社社員、上司の期待に応えようとするあまり、知らないうちに心身を壊してしまった40代手前の女性、久しぶりの恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで伴奏と曲のアレンジを任された女子高生、海辺の町のリサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性――。時に慰め、時に励まし、彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超えて広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者がみずみずしく描いた連作短編小説。

Amazon内容紹介

読み初めは少し私には合わないかなっと思いつつ、読んだのですが、読み進めるうちにどっぷりとその世界にはまってしまったそんな作品です。

染谷達也というシンガーソングライターの曲、特に彼が音楽の世界から引退した最後のシングル、「夢のうた」がキーワードとなって5人の男女の人生を変えていく、連作集です。

一つ一つの主人公が、愛おしくなるほど純粋で、生きることに懸命なのが嬉しくなる、そんなストーリーです。そしてそんな彼らの心に寄り添う音楽の力も素敵だなと感じます。

今や音楽はサブスクやSNSによって時代を軽々と飛び越えていきます。こんな時代だからこそ、生まれた文学作品なのでしょう。

良いものってなんだろう。
良いものが、必ずしも人に届くわけではないんだ。

本文p174抜粋

地方創生のため自分の住む田舎町のPR動画を作成したカメラマンのつぶやきですが、染谷達也というシンガーソングライターの曲は時代を超えて、再評価されつつあります。彼の動画ももしかすると時代を跨げば、変わるかもしれません。田舎町に住む私はそう願ってしまいます。

染谷達也こと染谷海は、かつてマネジャーをしてくれていた染谷のファンでもある寺井の強い勧めで、彼が起業したマネジメント事務所によって、再びライブを東京と自身の出身地新潟での開催します。

世界に一つくらい、自分の心を救ってくれる音楽が必ずあるのだと思う。

本文p326抜粋

あなたにもそんな音楽がありますか?

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

#シニア #田舎暮らし #今日のつぶやき #河邊徹 #ヒカリノオト #ポプラ社 #読書感想文


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