多様性の時代、私はついていけるのか
今朝はどうしても起き上がれず、10時半を回ってからやっとベッドから出ました。これからの季節こういうことも増えるなと、ネガティブに。
夫が明日の演奏会の準備のためすでに出かけていたので、お昼の準備をして待ちました。その頃にはなんとか動けるようになりホッとしました。
さて今日紹介するのは畑野智美さんの「世界のすべて」です。
これまで著者の作品で読んだのは2作品「消えない月」「シネマコンプレックス」
「消えない月」は加害者と被害者の二つの視点から「ストーカー」を描いたもの、「シネマコンプレックス」はシネコンで働く一日をとおしてスタッフたちが抱える悩みを描いたもので、2作品共私がnoteで記事を書く前に読み終えた作品たちなので、著者の作品はとても久しぶりですが、今回は「多様なセクシャリティ」がテーマです。
こう語る鳴海優輝は、大学のジェンダーの授業で「アンセクシュアル、アロマンティック」という言葉を知り、定義は定まらないものの名前があることで、救われる気持ちをもつという場面に、私はなぜかドキドキしてしまいました。
なぜなら私の年代ではとても想像できない性的嗜好に、もしや友人の中にいたかもしれないと思ったからです。私のことだから、きっと無神経なことを言っていたかもと思うと、無知とは恐ろしく、ヒリヒリした気持ちです。
さらに初めて知った思考が、強い信頼関係を築いた先でしか、恋愛感情を抱けない「デミロマンティック」
作品では喫茶店「ブルー」を営む啓介がそうなのだが、啓介の指向をわかり愛され結婚し娘を持ったはずの妻の絵梨でさえ、今の状況に疑問を持ち離婚を考える場面に、関係性の維持の難しさが描かれています。
常連客の悩みに向き合う鳴海が、自身の悩みにこう考えたのが、作者の多様なセクシュアリティを持つ人々への答えのように思いました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
週末になって、冷たい雨が降っています。どうか風邪などお気をつけて。