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明日、晴れますように〜続七夜物語

最近「推し活」という言葉を私もよく聞くようになりました。私の世代で「ファン」という言葉がありましたが、どうもそれ以上の熱気を帯びた活動のようです。

私はそれほど熱を帯びた「推し」はありませんが、好きな作家さんというのは、なんとなく出来上がっています。そのお一人で、川上弘美さんの作品をここ数日で480ページの長編でしたが、読み終えました。

いまほど世の中の仕組みが複雑ではなかった1970年代。『七夜物語』という不思議な本の世界を冒険した子どもたちがいた。鳴海さよと仄田鷹彦。七つの夜をめぐる冒険は、二人にとって大切な経験となるが、さよも仄田くんも「夜の世界」の出来事を決して思い出すことはなかった。あれからおよそ30年――。さよの息子「絵」と仄田くんの娘「りら」は、両親と同じ小学校でクラスメートになっていた。二人もまた『七夜物語』の世界へと導かれるのか?2010年の現代を舞台に、10歳から11歳へと成長する二人の変化の兆しと、子どもたちを取りまく世界を鮮やかに捉えながら、ささやかな人の営みと、そのきらめきを届ける物語は、2011年の「あの日」へと向かっていく。著者の長編ファンタジー『七夜物語』から12年、次世代を生きる子どもたちの物語。

Amazon内容紹介

作品の帯にはこうあります。

今回の主人公は小学4年生の少年と少女で、2人共に外側からは大きな問題だろうことを、静かに日常の中で流しつつ、ファンタジーな出来事にも遭遇して、成長していく姿がとても美しく、優しい物語です。

特に少女は学校でいじめを受けるのですが、主人公の少年少女が、いじめに対し真摯に向き合った結果は、「他人に悪意をぶつけると自分自身が削られる」という考察でした。これはとても意味深いですね。

さらに、2人が成長するに伴い自身の心身の変化やお互いの関係性について考えていく姿は、美しく、未来を感じます。また、メイという大学生の友人によって、ゲイ、婚姻、養子縁組など主人公に縁のないような、家族関係も物語に登場して、この作品が幅広い世代に向けて書かれていることを窺わせます。

大切、って、不思議な感覚だ。

本文p 464抜粋

物語の終結は私の想像を遥かに超えていて、益々著者が好きになりました。

ヒグチユウコさんの装画が素敵です

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

note公式より

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#シニア #田舎暮らし #今日のつぶやき #毎日note #連続投稿652日目 #川上弘美 #朝日新聞出版 #読書感想文

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