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かくありき、濡れ場よ
大好きな映画のひとつに橋口亮輔監督の「恋人たち」がある。
好きなシーンは幾つかあって、黒田大輔さんが篠原篤さん演じる主人公にお弁当を買ってきて語りかけるシーンもすごく好きだ。その黒田さんの台詞が聞きたくて、何度も観たくなる。
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そして、光石研さんと成島瞳子さんのシーン。成島さんが描いた自主制作のラブロマンス?の少女漫画を読んでいるうちにそんな雰囲気になって、光石さんが煙草を吸いながら、片手間に成島さんの乳房をぶっきら棒に触り続けるシーン。下手なラブシーンよりそれはとてもリアルで生々しくて、本当に好きだった。
好きすぎて、昔、京都の“100000tアローントコ”という古本以外にも古着、レコードなどを置いている面白い古本屋さんに行ったときに
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そこの店主さんとお客さんがカウンター越しにたまたま「恋人たち」の話をしているのが聞こえてきて、私は店内を眺めながらもうわの空でカウンターをちらちらと見て、もうどうにも居ても立っても居られず、突然話しかけ、混ざらせてもらい、先程書いた光石さんと成島さんのシーンを熱く語らせてもらった程だ。(そんなわたしを全く自然に混ざらせてくれる、そういうのも関西のいいところなんだなぁ)
だからきょう、アマプラでたまたま観てた邦画で、ラブホテルのベッドの上で見つめ合っている恋が始まったばかりの若者ふたりがいい雰囲気になって、激しくキスをして、男の子も女の子の下着の下から手を入れたりして、そのままふたりはベッドに倒れ込んだのに、次のシーンは
“その後の朝ですよーん”
みたいな場面が映し出され、「なんじゃそりゃ!」と、総武線の中、わたしは脳内でずっこけていた。
そこまでやるなら最後までやって欲しい。
映して欲しい。
中途半端な濡れ場は、観たくないのだ。