『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』の文庫版解説文を募集します #恋はいつも文庫版解説文
僕、いろんな場所で、初対面の人から、「林さんの本、読みました」って言われると、どうしてもマーケティング魂が出てしまって、「僕の本を読んだ感想」よりも気になる、「どこで僕の本のことを知りましたか?」って質問をしてしまうんですね。
もちろん、「ネットで記事を読んで、この人、本も出しているんだと気づいて、アマゾンで買った」っていう人や、「本屋さんで、面白そうなタイトルにひかれて立ち読みしたら面白かったから買った」っていう人が多いのですが、たまにちょっと恥ずかしそうに、あるいは申し訳なさそうに「図書館で借りました」っていう人がいるんです。
これ、出版社の方や書店の方は、あまり良い気持ちはしないかもですが、僕は「図書館で借りて読んだ」って言われると、すごく嬉しいんですね。
というのは、僕、小さい頃、両親が共働きで、祖母の家や両親の友人の家や色んなところに預けられたのですが、「図書館で数時間過ごせ」っていうことがよくあったんです。
うちの両親の親友が、その図書館で働いていたので、たぶんその人に、一声かけていたんだと思います。
僕は本は好きだったので、図書館中の本を片っ端から読み尽くしました。小さい頃の思い出といえば、あの徳島県立図書館のひんやりとした壁と古い本の香りです。
今、あの棚に僕が書いた本が数冊、差し込まれていて、かつての僕みたいな人が、「へええ。林伸次。渋谷でバーをやっている人が書いているんだ。読んでみようかな」と思って、ページをめくってくれていると想像するだけで嬉しくなります。
もちろん小さい頃に書店でも本は買いました。
うちの両親が、「マンガや雑誌ではない、字だけの書籍だったら、いくらでも買ってあげる」という方針でして、図書館では出会えなかった本を、近所の書店で買って読みあさりました。
小学生の時は、SFも好きだったのですが、ミステリーにはまってしまい、アガサ・クリスティーとエラリイ・クイーンは全部読破しました。
ハヤカワミステリという文庫があって、その棚の前にかじりつき、読んでいない本を順番に大切に読み進めたというわけです。
今、思えば、別に文庫本じゃなくても良かったはずなのに、本といえばずっと文庫本でした。大きくなっても20歳くらいまでは文庫本がメインだったような気がします。
文庫本、良いですよね。安いからというのもありますが、ジーンズのポケットに入れて持ち運べるというのも良いし、後でわかったのですが、「文庫になる」ということは、「それなりに評判が良くて、定番であって、読む価値がある本」という意味でもあるんです。
そうなんです。あの「文庫本になる」って、本を書く人間にとっての、「憧れ」なんです。
図書館のあの棚に自分の本が差し込まれるように、書店のあの文庫の棚に自分の本が差し込まれるって、「ひとつの達成」なんです。
僕が2018年に出した『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』の文庫版が出ます。
文庫版って、後ろに解説文が入るのってご存じでしょうか?
解説って、その著者と仲の良い人や、著名人なんかにお願いして、書いてもらうのが一般的でして、この本の担当編集者の竹村さんと「誰にお願いしようか」って話し合ったんです。
でも、この小説、このnoteから出たわけだし、noteで全文公開もしているし、未だにnoteでよく読まれているから、「noteの読者に解説文を書いてもらおう」と思いつきました。
というわけでお願いがありまして、僕のこの『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』の解説文を、「800字程度」で書いていただけないでしょうか。
書いていただいた方の中から、僕と竹村さんが選んで、「5人の方の原稿」をその文庫本に掲載いたします。
掲載した際の原稿料は、「1万円」です。
文庫本なので、ずっと残ります。僕が死んでも残っていると思います。そんな本に、あなたの力を貸していただけませんか?
6月4日が締め切りです。ハッシュタグで「#恋はいつも文庫版解説文」とつけてください。必ず僕がチェックします。
『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』って何? という方、こちらで読めます。もちろん全文公開なのでこちらで読んでいただいて応募で大丈夫です。
せっかくだから本の方を買ってみようかな、という方はこちらで買えます。
それではよろしくお願いいたします。あ、シェアとか嬉しいです!
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