【映画】Winny
2023年3月に公開された実話に基づいたノンフィクション作品。ファイル共有ソフト「Winny」を悪用した「Winny事件」をベースに、開発者である金子勇さんの逮捕、起訴、無罪判決までの過程を描いています。キャッチコピー「殺人に使われた包丁をつくった職人は逮捕されるのか。」、ソフトの開発者と、(違法)使用者の帰責性について一考を投じる内容が描かれています。
【面白かったポイント3つ】
●否定しないこと
大人になると、自分の知らないこと、理解できないことを受け入れるのが難しくなる。それは年を重ねるごとに。当時の警察や社会にとってよくわからないWinny(P2P技術)は、匿名性の高さから悪用され、悪いものとして報道され理解されていた。このWinnyというサービス自体は変化と挑戦の賜物で素晴らしく、無断で作品等を違法アップロードした人、悪用した人が悪いのだ。自分のスタンス、絶対に曲げたくない価値観は、変化と挑戦に対してはポジティブなスタンス。変化した方がいい、挑戦は素晴らしいと思う。自分自身のスタンスや価値観を改めて考える機会となった。
●信念や正義のために戦う姿が魅力的(演者の演技力)
緊張と開放は笑いのコツと言われるが、よい作品も同じだと思う。本作品は、とても静かに緊張感と共に進行していく。127分の作品時間はあっという間に感じ、弁護士役の先生方、主演の東出さん含め、演者皆さんがとてもかっこよかった。ただ実際のWinny開発者の金子さんは裁判の7年間の間、システム開発に関わることが出来ず、無罪が証明できてからは病気で亡くなってしまう。やるせない気持ちになる、金子さんは最後にどう感じていたのか聞いてみたいと感じた。
●金子さんの開発技術力(P2P技術)の凄さについて
Netflixのオリジナル作品”ザ・プレイリスト”
https://www.netflix.com/jp/title/81186296
デジタル音楽配信サービス「Spotify」の創業物語を描いたフィクション作品で、こちらの作品もたまらなく個人的に好きなのですが、同じP2Pのネットワーク技術を使用しており、Spotifyは2006年創業しており、時系列でいうとWinnyのベータ版は2002年にリリースされているので、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」は画期的なものであり世界的なサービスになっていたのではと思い、金子勇さんすげーなと思いました。(ネットワークに接続されたPC同士が1対1で通信を行うP2P(Peer to Peer)技術が注目を集めたのは、1999年に米国で登場した「Napster」)