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父親になれない"イクメン”たち〜vol1〜

まえがき

ぼくは現在2児の父親である。令和1年生まれの3歳になる長男と令和4年生まれ0歳の次男。妻は中学生時代の同級生といった家族構成だ。住まいは33歳になる年に中古マンションを購入して、住宅ローンを払いながらも身の丈に合った暮らしを心がけ、つつましく生きている。

さて、少し煽り気味のタイトル『父親になれない”イクメン”たち』とはどんなことを指すのか、少し説明としておこうと思う。
簡単には、『父親≠イクメン』と言うことを表現したいという意図がある。イクメンという言葉が日本国内で当たり前のように使われ出して久しいが、こういったポジション取りのための言葉を使い、そこにカテゴライズするもしくは自らが積極的にされにいくような少し気持ち悪い文化、ないしは態度を取る人たちを僕は冷ややかに見ている。

子を持つ方々には既出の題材で恐縮ではあるが、「イクママ」なんて言葉は存在しない。21世紀になってもう20年以上も経つが、我が国日本ではいまだに育児や家事、それに付随する家庭のあれこれは、女性の仕事・役割だという認識が一般的なままだ。これを裏付けるように、日本国内の父親の育休取得率はやっと10%を超えたくらいである。

つまり、それらを女性がやって当たり前なのだから、そこについて称賛されたり、尊ぶことなんてされない。
一方で、男性が育児に積極的であったり、家事をこなす姿を目の当たりにしたりすると、「おたくの旦那さんは偉いわね」なんて言われることは珍しくない。全くもって時代遅れの価値観だと思う。
ほんの少し(本当に一瞬!)、人目に触れている時に家事や育児を文字通り"手伝う”だけで男は"イクメン”という称号を与えられる。なんとも不自然で不快な出来事が日本中に今この瞬間も溢れている。なんとかならないものか。

しかしながら、こうなってしまうのには様々な問題が絡み合っていると思う。収入の面や社内での立場、育ってきた環境や親の存在・・・

僕自身も例外にもれず、そんなしがらみを抱えながら試行錯誤しながら働き方や家事や育児といった家での過ごし方を実践しているひとりである。その場しのぎや都合のいい時だけの"イクメン”から距離を置き、立派ではなくとも、泥臭くてもいい。いつだって我が子たちに胸を張れる父親となるべく、日々奮闘している。

と、決意表明じみたことをしたはいいが、なかなかそうもいかないのが現実でもある。情けない話ではあるが、前述した”イクメン”に自ら成り下がることもしばしばある。その度に自分に嫌気が差すのだが、どうか大目に見てほしい。なんせまだまだ父親3年生なのだから。

少し長くなったように思うけれど、ここではひとりの男性が、いかに立派?ちゃんとした?父親になろうとしているのかを話していけたらいいと思う。
その中で読む方々の何かしらの気づきであったり、「あー、うちでもあるある」と共感してもらったり、時にはクスッと笑ってもらえたならぼくは嬉しいし、筆を取るモチベーションにも繋がる。

この世から"イクメン”なんて概念が一日も早く消えて無くなることを願ってまえがきとさせていただく。

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