私立小学校に合格。『その後』の盲点。
私立小学校にこの春から通われる子供たちも多いはずです。大変な受験戦争を勝ち抜き、将来の夢に向かって一歩を踏み出すことでしょうね。また、親も我が子を必ず合格させるという目標から、日々気苦労があったのではないでしょうか。ここでホッっと一安心ですね。
多くはいませんが、私の教室にも私立小学校に通っている子供たちもいます。そこで盲点とも言えることを少しお話します。
未就学児に受験をさせるということ
私立小学校に入学するということは当然ながら未就学児に受験をしてもらうことになります。子供も自立ができていない状況がほとんどですので親も手とり足取りの多い状況になるはずです。時には「やりなさい!」と強く言ってしまうこともあるかもしれません。
昨今、低年齢化が進んで年少や年中の頭からそろばんを習うということも実は少なくありません。ですが、やはりまだ意志が確立されていない子がほとんどで、指導していてもなかなか難しい場面も多くあります。
これはごく自然の流れですが、意志が確立されていなかったり、自立もできていない状況から、ある程度親の敷いたレールの上で受験戦争に挑むわけです。
合格を勝ち取った子供たちに意志や自立が見え始める
私立小学校に通い始め中学年にさしかかると、子供たちにも徐々に意志だったり自立がみえてきます。女の子で早い子もいますが、ここで親への『反抗』がスタートするのです。
今まで「こうやるんだよ」「こうしなさい」「やりなさい」で通ってきたことが、この頃からそうはいかなくなります。言えば言うほど親の指示に従わなくなるのです。ですが、これは成長の印。ここでは深く言及しませんが、大人向かって成長をしている証なんです。
親の勘違い
さぁ、ここからが分かれ道です。言う事を聞かなくなる子供に親の対応の仕方で今後が大きく左右されます。
①言う事を聞かないので、力業で命令する
②言う事を聞かないので、ダメだと諦める
実はどちらも良くない結果となってしまいます。
ですが、ほとんどの親が①か②を選択してしまいます。
「今までで、やってきたじゃない」「どうして言う事をきかないの」「なんでやらないの」。ある程度敷いたレールの上を走らせることで勝ち取った私立小学校への合格。その流れで大人への一歩を踏み出し「反抗」を始める我が子に対して、今までと同様な対応をしてしまう親が大半なのです。「反抗」する我が子に、同じようにレールを敷こうとするのです。
承認欲求が満たされず、自己肯定感の低い子供たち
このように「反抗」を始める我が子に対して力業のパワー勝負にでたり、「もうウチの子ダメ」と本気の諦めをみせると、子供はまったく『意欲』を持たなくなってしまいます。では、正解、より良い対応は何なのか。
◆まず肯定する。
自立に向かって反抗をはじめる我が子をまず肯定しなければなりません。言う事を聞かないものだから、端からパワー勝負に出てもさらに反抗を増すだけなのです。どうして反抗するのか、そこに理由はあるのか聞き出さないといけません。言う事を聞いてもらうために丁寧な説明も時には必要でしょう。「こうこう、こうだから、こうしようよ。」と、しっかり目を見て話せば、子供だって理解してくれるはずです。それを「あれしなさい!」「なんでやらないの!」と言い放っていては、子供も聞きたくなくなってしまいます。
◆そして次に、褒めること。
私立のそれなりのレベルの学校に入学できた子供は周りの子供たちも”デキる”ので、ただでさえ自己肯定感が下がります(相対的に)。少しでもテストの結果が良かったら、少しでも担任に褒められたら、それをしっかり褒めたたえて”自分は大丈夫”と安心感を与える必要があります。
私立小学校で学べる環境を活かせていない
せっかく合格してより良い環境を手に入れたにも関わらず、活かしきれていないご家庭が多くあります。「反抗」という成長の証があるところにパワー勝負にでた結果、子供の『意欲』を育てきれず何に対してもやる気が起きなく勉強もままならない、そんなご家庭が少なくないのが現状なのです。
まとめ
せっかく勝ち取った私立小学校への合格。大人への一歩を踏み出し「反抗」始める我が子に対して今まで同様の流れでレールを敷こうとすると、我が子は『意欲』が持てないようになってしまいます。
【意欲を持たせるためのポイント】
◎反抗する我が子を受け入れる(承認欲求を満たす)
◎受け入れた上で褒めて自己肯定感を高める(安心感を与える)
この話は公立の小学校に通う子供にも勿論言えることですが、私立小学校に通う子供により濃く、そして多くみられます。
どんな子供にも反抗が始まり意志が芽生えます。その時期を上のようにうまく乗り越えてください。きっと私立小学校に入学したアドバンテージをより活かせるはずです。