「やりなさい!」という言葉がトリガーとなっている子供たち ~恐ろしい結末~
最初に結論から言うと、この『やりなさい!』という言葉がトリガーとなっている子供(生徒)たちは、
自立心が強くなる高学年あたりになる頃からでしょうか、物事を取り組むときの『気持ち』の入れ方や持っていき方が分からなくなります。
本人はそんな気持ちサラサラないのですが、取り組んでいる際に気持ちを入れるスイッチが分からなくなり勉強や習い事のスコアも伸びなくなる現象に陥るのです。
これは本当に残念というか、恐ろしいことですよね。まるでガス欠をおこした車のようなのです。
たとえば、運動会の徒競走。
一番をとりたくて一生懸命気持ちを入れて走るわけです。テストだって100点を目指して真剣に取り組みますよね。
『よし!やってやるぞ!』と、様々な場面で強い気持ちをもって取り組むのが当たり前というか、まぁ普通です。
ですが、意志とは無関係にこのような、ごく普通なこと(気持ちをもって取組むこと)が出来なくなってしまうのです。
これは「やりなさい!」という言葉が功を奏し、とても成績がよかった子供ほど、このようになる傾向が強いことも特徴です。
なぜかと言うと。
『やりなさい!やりなさい!』と言われる多くの子は、意に反していたとしても親の強い要求に応えていくわけです。
最初は辛くても
・お母さんが喜んでくれるから
・お母さんが褒めてくれるから
・お母さんが笑顔になるから
という理由で頑張ります。子供たちはこれらを糧に頑張るんです。
ですが、ある程度時が進むと、
・親も『やりなさい!』と言い続けるのが面倒
・我が子のポテンシャルはこんなもの、 という親の諦め
・子供自身の自立心の成長
などから『やりなさい!』の言葉そのものが無くなったり自立心がもたらす反抗からスルーされたりします。
そして蓋をあけたときには、今まで糧となってきたお母さんの笑顔、お母さんからの褒め称えが無くなるので、
今までやって出来ていたことすら、真剣に、強い気持ちをもって出来なくなるのです。
と言うより、
本人は真剣にやっているつもりなんだけど、
なぜか気持ちが入らない
なぜか点数が伸びていかない
など、本人も理解不能な状況に陥ります。
実際に私が指導する教室の中でも、こういったケースをみてきました。小学2年生までは、とても良く頑張っていた生徒が小学4年の途中から気持ちが入らない状況に・・・。点数がまったく伸びない。
勿論、本人もよく分からない状況なので責めるわけにもいきません。やることはやるが気合いが入らない、自分で気持ちのコントロールができない現象なのです。
本来は逆ですよね・・・。何をやるにしても、意欲をもって気力で乗り越える…、親もそうですが我々指導者もそれを望んでいます。
『やりなさい!』でやらせるのは、実は簡単な事なのです。本当に難しいのは、こういった強制力のある言葉・フレーズをかけることなく、
どうやって子供に意欲を持たせるか、
強い意志で取り組ませるか、
なのです。
親が簡単な「やりなさい!」で済まそうとすると高学年の頃に取り返しのつかない現実が待っています。
心当たりのある方は今すぐにでも方向を変え、『自らが進んで取り組むような声がけ』、『意欲を引き出す声がけ』をすべきです。
『やりなさい!』という言葉がトリガーとなっている子供には、この先ずっと『やりなさい!』を言い続けなければならない。
そんな未来が待ち構えています。
要注意なのです。
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