高校最後の夏
僕の視線が君を追うようになったのは
教室の窓際から見たグランドで
風のように走る君の真剣な姿を見た時
同じクラスで意識した事もなかったのに
何かに夢中になれない自分にはその姿に惹かれていた
僕の心が君に好意を持つようになったのは
大会前の部活帰りの君にたまたま出会って
一緒に帰りながらいろんな話をした時
それ以降、君の帰りに合わすように時間を潰して
不自然な偶然を作るようになっていた
僕が君に自分の気持ちを伝えられなかったのは
今すべき事も将来の事も考えて行動する君と
なんとなくで生きてしまっている自分が
釣り合わないような気がしてしまっていたんだ
僕が君に好きだと自分の気持ちを伝えられたのは
君の影響で僕は僕なりに自分の人生を
考えて考えて考えて…
それでもやっぱり分からなくて
そんな自分に嫌気がさしていて
そのままを君に話したら
笑いながらみんなそうだよと教えてくれた後の
「でもいつもそばで私の話を聞いて
応援してくれる君が好きだよ」
と言う言葉を聞いた時
僕はいつも一歩先を行く君が好きで
君は少し後ろで見守る僕が好と言ってくれる
釣り合う釣り合わないなんて関係ない
お互いがお互いを求めることの方が大事なんだ
高校最後の夏
僕らは付き合うようになった