バージンロード
石でできた教会はひんやりとした空気を纏い
優しい光がそそがれている
空も木々も鳥も皆祝福のさえずりをあげる
バージンロードでは父親に手を引かれ
ゆっくりとこちらへ向かう君の姿
純白の眩しさに息を飲む
目に見えない神様に誓うだけなのに
この日までとこの日からは
違う世界が始まるだろう
それまで向かい合っていた二人は
今度は同じ方向を向いて共に歩き出す
この未来に君がいて
いつも隣にいてくれるなら
僕は幸せというものを感じられるだろう
君がお腹に子を宿し
共にその子の名前を考えられたら
僕は産まれてきた意味を感じられるだろう
お互い歳を重ねて
君を最後に看取る時が来たのなら
僕はこの人生への感謝を感じられるだろう
望まず与える
君にだけはいつの日か
そう思えるようになったんだ
君の指に指輪をはめる
祝福の鐘が鳴り響く