フラニー

小説、映画、音楽、ドラマの感想。Xでは文字数が足りないときにここを使おうかなと

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最近の記事

フィッツジェラルド「夜はやさし」と、Blur「Tender」

フィッツジェラルド「夜はやさし」 原題“Tender is the Night” 大切な小説14時間のロングフライトの飛行機の中で、一気に読んでしまった本。 想像した以上に、自分にとって大切な、記憶に残る小説になってしまった。 この小説は、ものすごく不完全な二人の人間のものすごく濃密で、ものすごく繊細な、不思議な依存関係と絆を描いている。 主人公の二人の男女は、表面的には完璧に魅力的な人間。美男美女、裕福で賢く、性格も魅力的な二人。 そのきらびやかな表面の裏は、えげつな

    • サリンジャー「倒錯の森」

      五つの短編が含まれているが、何といっても「倒錯の森」が素晴らしい。 (この「倒錯の森」だけは、中編といってもいい長さではある。) こんな小説が書けたら死んでもいい。 あるいは死ぬときはこんな小説を読んでいたい。 というくらい。 壊れた詩人と、その詩人に壊される女の話。 「荒地ではなく 木の葉がすべて地下にある 大きな倒錯の森なのだ」 サリンジャーの物語はいつも「俗世」と「そうではないどこか純粋な世界」とが出てくる気がする。 あらすじがどうこうよりも、小説から発せ

      • ゴッドファーザーPARTII

        #note映画部 #映画 #ゴッドファーザー #アルパチーノ 若い頃のデニーロの演技を観たくて、久々にゴッドファーザー PART IIを観た。 タクシードライバーと迷ったけど、タクシードライバーのほうがたくさん回数観てるから、 今回は3回目くらいになるゴッドファーザー PART IIにしてみたら、これがよかった。 なかなか現実世界に帰ってくるのが難しいくらいに。 デニーロの演技目的だったけれど デニーロの演技以上に、映画そのものに圧倒された…! 複雑なストーリ

        • ナボコフ小説「ロリータ」とキューブリック映画「ロリータ」

          ナボコフの小説が原作で。 「ロリータ」という映画はこれまでに2つ撮られている。 キューブリック監督(1962年)の映画と エイドリアン・ライン監督(1997年)の映画である。 このうち、小説と、キューブリックの「ロリータ」について書きます。 (1997年の映画「ロリータ」も昔、観たのだが、今回は観ていないので感想は書かない) ■本 ナボコフの「ロリータ」。 1955年刊。 昔読んだけれど、本を売ってしまったのか、手元になくなっていた。 再読しようと思い、