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社会人日記_2020.4

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2020_04_01 (水)

働き始める。新たな生活にむけて十分な睡眠を確保すべく、昨夜は11時半に寝床に入ったが、不安と緊張から3時半になるまでに4度も目を覚まし、十分な睡眠がとれなかった。おかげで今日はたくさんあくびが出たが、マスクでごまかした。漠然とした不安と将来に対するやるせなさから昨日は泣いてしまったが、泣きながら変えたシーツは清潔で触り心地がよく、目覚めてからしばらくの間堪能した。新生活のお守りとして『生きるのも死

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2020_04_02(木)

社会人二日目。今日もよく眠れなかった。脱力が下手になっているせいもあるが、風の音がうるさくて睡眠が浅くなった。抜けきらない疲労と、今日も眠れなかったという事実に動悸がした。朝食に目玉焼きと肉じゃがを少し、モンキーバナナと青汁を摂ってのろのろと支度する。電車の中で眠ろうと試みるが、寝過ごすのが恐ろしくて全く眠れない。泣きそうになるが堪えて職場へ行く。最寄駅付近では桜がきれいに咲いていたので気持ちが少

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2020_04_03(金)

昨日から今日にかけての夜は風音もなく熟睡できた。しかし眠気は常につきまとっている。今日も肌寒いものの風はなく、朝食には2種のタルト半切れずつと温かい青汁を飲んで職場に向かう。最寄駅付近の公園で桜を見ながらミニカプリコを食べる。午前中は仕事で外出、午後は研修。コロナウイルス に伴う在宅勤務者が多いからか駅も電車も空いていた。昼食は昨日と同じように公園で食べた。右眼の眼瞼ミオキミアはなおらないが、楽な

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2020_04_04(土)

社会人になって初めての休日を謳歌している。昨夜はzoomで高校時代の同期と日付が変わるまでお喋りをしてから眠った。身体はぐずぐずに疲れていたが、彼女たちとの会話は私を大いに癒した。眠るだけが疲労回復の方法ではないと強く感じさせられる。今日は昼過ぎに起床するかと思っていたが、7時半には目が覚めた。まだ身体的な怠さはあるものの床から抜け出し、朝食として、昨日買ったパンを食べる。その後ごろごろしながら今

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2020_04_05(日)

なるべく明日のことを考えないようにしている。映画『ファイト・クラブ』を観たがいまいちわからなかった。チャック・パラニュークの原作も去年読んだが、物語としての魅力は私にはわからなかった。セリフは所々刺さるが。今はとにかく眠い。とっとと眠ってしまいたい。

2020_04_06(月)

今日も出勤した。朝はまだ肌寒いが、朝7時の陽光はあらゆるものの美しさを引き出していて、今、こうして美しい世界の一部として存在しているということに充足感を覚えさせられる。一昨日買った『だれのための仕事』を通勤中に読み始める。ボードレールの詩が引用されていて、その巧みさに心が躍った。『巴里の憂鬱』はいずれ読んでみようと思う。今日はいちご味のミニカプリコを持って行ったが、始業前にあまり腹が減っていなかっ

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2020_04_07(火)

今日も出社する。5日目だ。電車は比較的空いているが、相変わらず通勤する人々は多い。今日も『だれのための仕事』を読みながら向かう。p.41のレジャーに対する虚しさに関する記述は、以前読んだ『暇と退屈の倫理学』における退屈の第二形式を思い出させる。日記を書くにあたってパラパラと見返してみると、またこの本を読み返したくなってきた。『ファイト・クラブ』を観たきっかけもこの本だ。今日もかなり疲れたが、緊急事

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2020_04_08(水)

終業。帰り道にはシュガーレス・キャラメルキャンディーを舐めて魂をなぐさめる。今日は電話の応対もした。危機に瀕すれば体が動くものである。わたししかいないデスクと3コール目の予感は、オフィスにおいては紛れもない危機だった。昼にはオニオングラタンスープを買って公園で食べた。8分19秒の旅をした光がわたしの黒いスーツに吸収され、肉体はぬくもりとしてそれを感じる。陽光を浴び、たくさん水分をとるようにしたため

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2020_04_09(木)

緊急事態宣言が出たため人が減っているのを、公園のゴミ箱に捨てられた弁当容器の減少で感じる。さくらは、はらはらと木からこぼれて気まぐれに舞っていた。もちろん重力から解放されることはなかったが。地被のようにへばりついて生きざるを得ない私よりはましだ。仕事帰りにサーティーワンでアイスを6種類買って帰る。気ままなアイスクリーム・パーティー。仕事のための勉強を休日に勧められたが、気が乗らない。私は空白恐怖症

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2020_04_10(金)

2週目が終わる。終業後、洋式便座に腰掛けて1週間を回想する。今週はやたら長く感じた。3日前の研修は遠い昔のようだ。年々と時間感覚は早まって1日は短く感じるのに、1週間がやたら長く感じるのは変だ。帰宅するにあたり、銀座を散歩して帰ったが、緊急事態宣言を受けて多くの店が閉まっていた。あまりの静かさと人気のなさに、イヤホンを外してその静けさを堪能する。照明の光は減れどもきらびやかな意匠のビル群と、ほんの

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2020_04_11(土)

休日。せっかくなので大いに寝坊しようとしたが、リズムができ始めているせいか7時前に目が覚めてしまう。ごちゃついた部屋の装飾品たちをテーブルの上に置いて掃除機をかける。今までに撮った身近で断片的な映像を編集して、何か意味ありげなものが作り出せやしないかと、私は勤勉にもデスクに向かう。明日はもっと無為に過ごしたい。数少ない休日を予定で満たすことが善である、という思考からの脱出を図ろう。インターネットを

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2020_04_12(日)

たくさん眠った。家の中でぬいぐるみたちをこれでもかと連れ回して生活をする。部屋の片付けはおよそ終わって、友人の誕生日をオンラインで祝う。昼食は家族が行きつけの店からテイクアウトしたカレーライスだった。今週も仕事だ。来週も。再来週も。来年も。何十年後も。今はお試しの気持ちで社会人をやってる......だがそれも、いつまで保つだろう?仕事を仕事、という視点でしか見なければ、日々はつまらない繰り返しだ。

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2020_04_13(月)

今日は雨で、公園で昼食をとることができなかった。こうした事態がいつか発生するのはもちろん承知していたが、もう少し先だろうとたかを括って(あるいは仕事に慣れることにのみ意識を向けていて)あまり対策を考えていなかった。コンビニでスープとエビカツを買って休憩室に向かう。休憩室は満員で、私はひとり、壁沿いのソファの隅に腰掛けて机も使わず食べる。机は隣に腰掛けるグループが使っていて、「すいません」というのす

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2020_04_14(火)

今朝はぼんやりと通勤した。読書もせず、ぼーっと音楽を聴いたり聴かなかったりして、私は危うく降り間違えそうになった。昨日で昼食のルーティーンが崩壊して、少し肌寒かったことも後押しして私はワンタン麺を食べに中華料理店に向かった。ラーメンに類するものを自発的に食べに行くのは年に3回あるかないかで、今日はそんな珍しい日だった。カウンターに隣のお客とひとつ席を空けて腰掛け麺を待ち、麺を啜った。ワンタンは良い

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