デジタル×人事②
デジタル×人事について、引き続き考えていきましょう。
2015年〜2019年
私がちょうど人事部長を担っていた時代になります。少しだけ時代背景を説明すると、ダイバーシティがとにかく最重要課題になっていただ時代です。女性活躍推進がまず一丁目一番地で、くるみん、えるぼしなど厚生労働省の認定マークなどもありました。法改正も必要なたびに実施され、大きく変わった時期です。女性同士のネットワークやコミュニティも活発化した時代です。また、働き方改革では、過重労働による自殺などが大きく注目され、認識が変わろうとし始めた時期です。
さて、デジタル化です。前半は、この一つ前の時代の延長になります。採用や教育の数値化が先行し、かつWEBサイトでの管理ができるようになってきました。エクセルでの採用母集団形成などが大きく変わっていきました。能力やスキルを数値化した後の活用が難しかったのが記憶にあります。ある部門のハイパファーマーの分析をして、それに類似した特性を持つ人員をピックアップするのですが、ここはAIなどない時代なので、ややアナログな検出をしていた記憶があります。
打刻が始まったと書きましたが、それがWEBサイトでの管理ができるツールがどんどん出てきた時代です。パッケージがマッチする所はそれでいいのですが、大体がカスタマイズしていた時代かと思います。業務に関連し、かつ給与にも連動していくため、連携や正確性が問われていた時代です。また、初期導入したシステムの更新時期を迎えたのもこの時代です。
人事管理システムの新しいパッケージがたくさん出てきたのもこの時期だったと思います。既存のリニューアルがベストなのですが、カスタマイズされていて、パッケージがマッチしないなんてことがありました。まだ、この前半はsaasサービスはなかった時代です。
ストレスチェックが始まり、そのサービスとしてWEBサービスが提供されたりし始めました。各種サーベイが簡単にできるようになり始めたのもこの時期ですね。
後半です。
2017年以降になってくると、saasサービスが立ち上がり始めます。smartHRさんを初めて知った時は、なかなか衝撃でした。商談もさせていただき、人事経験なしのメンバーで作り上げたサービスと知って、ITの可能性は広くて、深いと感じたものです。スクラッチ開発を続けてきた関係で、ID課金の料金体系がなかなか理解浸透させられなかったのですが、今でも素晴らしいサービスだと思います。今の会社は、活用されています。人事といってもさまざまな領域があるので、なかなかワンストップとはいかないようですが、そう遠くない時代に出来上がると思います。
また、APIでデータ連携できる概念が素晴らしいのですが、個人情報やセキュリティを心配してなかなか導入が進まないのも事実かと思うのですが、そこは乗り越えていきたいですね。
また、秘匿されがちの人事関連データの内、サーベイや組織開発、人材育成につながるデータは積極的に一定レベルまで共有する方向に切り替わって行った時代ですね。
さて、2019年から
は、中国へ赴任していたのでその辺についてです。あまりデータベースとかはなく、以外とこの領域はアナログでした。デジタル化すると、即座に拡散してしまうからだと思います。本当に、悪意とか悪気はなく、情報はオープンなので知ってしまったら、一気に拡散されてしまうので。しかし、コロナ禍に微信の企業版が即座に立ち上がり、どんどんアップデータしていきました。WEB会議、決裁ワークフロー、掲示板、などなど必要と思われる機能は随時追加され、最終的にはこのアプリだけで、仕事が完結する形でした。周りを聞いても大半の企業が活用している状況でした。
帰国してから、感じることはsaasサービスがさまざまな領域で発展しているなということと、やはりAPIでデータ連携あたり大事なポイントです。人事ではないですが、財務・会計領域でもさまざまなサービスがありますし、他の領域も遠くない期間にサービスが出てくると思います。法務、建設、総務、管理会計など。
デジタル×人事
は、次はAIを活用した形で、リアルタイムの心と体の状況のダッシュボードが出来上がっていたり、パフォーマンスの見える化がもう一段進んでいくと思います。その際に、人事が果たしていく役割は、やはり人を見て、決断することに収斂していくのだろうと思います。