あなたのメルマガのKGI(重要達成指標)は何ですか?
こんばんは、Bambooです。
普段企業で数千万人から数人までのレンジのターゲットに対してメールを送っています。
自己紹介はこちら
いきなりですがメルマガ配信のKGIは何ですか?
メールアドレス獲得数
配信予約数
実配信数
開封UU数
クリックUU数
サイト訪問UU数
コンバージョン数
成約数
売上
ざっと思いつくだけでも数字としてはこれだけあり、率で言うとさらに、CTR(クリックスルーレート)、CVR(コンバージョンレート)などもありますね。
定義がCTR(文面クリック数/実配信数)、CTR(文面クリック数/開封UU数)などとまちまちです。
CVRもコンバージョン数/サイト訪問UU数、コンバージョン数/クリックUU数、コンバージョン数/実配信数などさまざま。
どうやって追いかける数字を決めていけば良いのでしょうか?発生している課題を示していきたいと思います。
なぜメールは指標が多いのか?
配信から成約までのステップが長いから
Webページ以外のメールというものがコンテンツ表示面として独特で関係者で共感を得にくいから
全部の数字が一括で取れないから
この3つがあり、重要指標の合意になかなか至りません。
2番目について説明すると、ウェブページのように都度リンクURLを開いて行くわけではなく、件名をクリック(タップ)して開封という特殊なユーザ体験があることが起因です。どこの数字の改善がボトルネックになっていて、どこを改善すれば効くのなか、逆にどこが無視できる指標なのかかわわかりません。
3番目は課題になりますので次に説明します。
発生する課題「KPIが一括で取れない」
メール独特の数字、たとえば配信、開封、文面クリックなどの数字があります。汎用のメール配信ツールで取得できますね。
では、メール経由の訪問や、コンバージョン(購入、予約、資料ダウンロード、ウェビナー申し込み、視聴e.t.c.)の数字は取れますか?
さらに、どのメール経由で訪問、コンバージョンしたかわかるようになっていますか?
主務でメール運用していても、運用体制構築してからまだ若いチームではこれら数値取得ができて確認できる状況は少ないのでは無いでしょうか。
安心してください、私は2017末の異動が決まった同僚の手伝いから始まったメールの配信業務ではメール経由の訪問さえ分から無い状態でした。まして経由コンバージョンなんて。
発生する課題「いい件名をおいらが教えてやる」
私はメールの配信業務をボッチで始めた時、上長から件名の指図があったりしました。なぜ開封率が上がらないのかと。こんな指図(いや、ありがたいご指導!)になった経緯を取り上げます。
うちの会社のNo.1サービス(日本で知らない人はいないくらい)はメルマガの運用体制がすごい。売上も上げている
メルマガ購読数がそのサービスに比べてBambooのサービスは当然少ない
ならば率を上げるしかなくてコンバージョンを上げるにはまずステップで言うと上流の開封率から上げよう
魅力的な件名をインターネットの記事で見つけたよ教えてやる
これはありがちな話ですが精神衛生悪いですね。メール愛読者だとか、自サービスを使い倒すなどユーザ行動に一家言ある上長ではありませんでした。
今なら「サービス認知度が異なる、つまりすでにオーディエンスの規模が大きいとヘビーで接触時間が長いユーザも多く、儲かっている以上お得なポイント還元キャンペーンを経費から飛び道具として使える。またオンライン決済可能なサービスだと金額記載したメールを走らせたりもできるし、文面に金やポイント記載があれば当然数字は良くなる。」なんて説明できるんです。
さらに「あのサービスは配信業務の自動化ができていない、それをすれば運用体制は1/10でよい(ニチャア)」なんて言いかねません。
でも当時は何故かなんて全くわかりませんでした。
こんな課題もありました「メール経由の売り上げは何故上がらないの」
上長がメルマガには全く関心がなかったり、メール経由でランディングしたWebページのドロップ率が高いのだけ悪目立ちしていたり、そもそもメールで送るネタに乏しいサービスもあることでしょう。
例えばドロップ率が高いのは、認知目的とか、リーチを求め広いターゲットにメールを撒くとかならば、それは当たり前。
今なら「配信母数を増やすためにネタをまず増やしましょう。メールの定期配信可能にするため、毎週特定曜日開催のポイント還元日つくりましょう、開催リマインドメール打つんですよ。」そう言います。
しかし言い返せなかったらメール運用者は「できない子」扱いされたり、ましてランディングページの担当者も自分だった場合改善の責任も自分にあるわけですから逃げ場がありませんね?
私の場合は最初はそもそもメール経由売り上げが取得できていませんでしたが、メール経由売り上げなんてどうせ泡沫レベルだろう、と期待もされていませんでした。サービス立ち上げのメイン企画は私なのにメールなんて閑職だなあと当時思ってました。
数字で結果出さない間は文句を言われる
ボトルネックという言葉を使って制約条件の理論により生産工程の改善や経営の改善の提案をした名著「ザ・ゴール」(エリヤフ・ゴールドラット)のエピソードにこんなのがあります。
「数字で結果を出して文句が言われないようにしよう、売りに出されないようにしよう、リストラされないようにしよう。。。」
数字の結果が出ない間はあらぬ不安に苛まれることになります。
心理的安全性
もう一つ似たような話をします。
エドモンドソンが1990年代発表した「心理的安全性」。
Googleの調査でも結果を出し続けるチームは心理的安全性が高く、離職率も低いという結果が出ています。
安全性が"低い"組織を説明しましょう
「クリックUUのUUとは何でしょうか?」=> こう質問をすると無知(Ignorant)と思われる不安
「リンク先が間違って配信していました」=>こうミスを報告すると仕事ができない無能(Incompetent)と思われる不安
「私の意見ですが…」=>話に加わると邪魔(Intrusive)だと思われる不安
「本文に画像を配置しリンクを貼った方がCTR上がりますよ」=>こう改善を提案すると反抗的(Negative)だと思われる不安
数字をなんとしても改善して、心理的安全性を高め、仕事をやりやすくすることが最初のマイルストーンと思いませんか?
いったんKGIを決めず、文句を言われなくする
Bambooは2023年、BtoCからBtoBのメールを打つ業務に変わりました。
そこではSaas提供されているメール配信ツールを使っているので、そのユーザ会に行きました。するとユーザ会でたくさんのメール運用者と会いました。
そういった運用者はベンチャーだとメールだけでなくWebページの更新やイベント運営までたくさんこなしている方も多いです。その上、先のように色々文句を言われるのはたまりません。メールの運用を外すか、運用をペンディングして、文句をいう側になるか、そうで無いならあくまでもメールで成功するしかありません。
また、KGIはある指標に落ち着くと未来の自分は言っているかもしれません。しかしそれを今の自分が発言すると信じてもらえない可能性があります。
そこで数字で結果を出して「コイツ出来るな!」と知らしめるにはどうしたらいいかを考えたいと思います。メール担当序盤、私が結果を出した方法、並びにメール運用をやってきた経験上のヒントを広く適用できる一般論として語りたいと思います。それを次の記事で。