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世界記録が1日3つ!?日本記録まで!?パリダイヤモンドリーグ2023観戦記

1 はじめに

世界記録、いや日本記録でさえも、テレビの生中継で観られるだけで本当に良かったと感動するにも関わらず、まさかこんな日が訪れるなんて、という1日に巡り会うことができた。

今まで生きてきた人類の中で 最速の者が3人いの世界記録のパフォーマンスが目の前で観られるなんて。

40年生きてきて、世界記録はおろか日本記録でさえ直接観たことがなかった中、2023年6月9日は、おそらく私の人生で最初で最後の日になる気がする。

陸上競技、特に長距離のファンとして、この上なく幸せな日に巡り合うことができ、選手、大会関係者、素晴らしいコンディションを作ってくれた陸上競技の神様に感謝したい、と素直に感じている。  

2 座席

昨年も観戦に行った、年1回のパリでのダイヤモンドリーグに行ってきた。今年は、折角だからと、少しだけ高い金額45ユーロ(約7000円)を支払って、ホームストレートのゴール付近の目の前2列目、1列目は関係者席なので、実質最前列を取ることができた。

関係者でもなく、大会開催の直前に1人で行くことに決め、空き座席を見たら、運良く特等席が1つ空いていたので確保。

景色は以下の感じ。

100mチャンピオンも目の前


3 試合の様子

今回のパリでのダイヤモンドリーグのウェブページは以下のとおり。

(1)全体進行

夕刻18時から23時前まで、全て国際レベルの大会ではなく、序盤はフランス国内の選手間での競技として、スポンサー企業関係者の100m走、男女混合3000m走、男女混合200m×12人リレー、その他、国別のリレー対抗戦で、フランス、スペイン、ドイツ、カナダ等の国々の男女の4継等も開催していた。観客はまだまばらであるものの、出場選手の関係者は、国際大会と同じ場所で走れるだけに楽しいだろう。

後半になると、ダイヤモンドリーグとして、トップ選手たちの試合が始まる。

エントリーリストが電光掲示板に表示されるのだが、ワールドランキングも表示され、一桁の選手がずらっと並ぶ。そうしたトップ選手の競演が次々に始まるのだから、ワクワクせざるをえない。

(2)大会前の注目種目

大会前に私が特に注目していた種目は3つであった。

男子3000m障害
直前に三浦龍二選手の参加が発表された。先週の日本選手権からの連戦ではあるものの、どこまでやれるのか注目であった。

男子2マイル
ダイヤモンドリーグの種目ではないものの、東京五輪1500m金メダリストのヤコブ・インゲブリクトセン選手の参戦が早々と発表され、俄然世界記録への期待が高まっていた。昨年のオレゴン世界選手権でも5000mで金メダルを獲得しており、若干22歳に中長距離界のスターであり、ずっと一度見てみたいと思っていただけに非常に楽しみであった。

女子5000m
こちらも大会の直前に、先週フィレンツェで開催されたダイヤモンドリーグ1500mで世界記録を更新したキプエゴン選手(ケニア)の参戦が分かった。さらに、女子5000m、10000m、ハーフの世界記録を持つギディ(エチオピア)も参戦するとのことで、両者の対決、世界記録の実現が非常に楽しみであった。

注目していた3種目で世界記録なのだから、表現方法が難しいが、アンビリバボーで幸せな1日となった。

三浦選手も日本記録樹立だから、自分が注目していた選手はすべて大活躍、本当に素晴らしかった。

(3)会場到着後に注目した種目

会場についてしばらくすると女子やり投げの選手紹介が始まった。

昨年のパリダイヤモンドリーグで北口榛花選手が、初のダイヤモンドリーグ制覇を達成。その場に居合わせたことについては、昨年のnoteで書いている。以下を参照いただきたい。


選手紹介を聞いていると、北口選手の紹介があった。先週の日本選手権では悔しい思いをしただけに、パリで2連覇を達成して、世界陸上に繋げてほしく、注目種目となった。

結果は、北口選手は65mのビッグスローで、見事に2連覇を達成。私の席からは投擲場は遠くてはっきりは見えなかったが、電光掲示板に表示された、65mの投擲後に手を挙げて喜んでいる姿が印象的であった。

(4)大会動画

大会主催側が結果動画をすぐにアップしていたので、そちらで全体像のハイライトをご覧いただきたい。

私が特に注目していた長距離3種目については、大記録を残すべき動画を撮影していたので、昨年同様にYoutubeにアップしたので、興味があればご覧いただきたい。動画作成に慣れておらず、見づらい点についてはご容赦願いたい。

大会主催側も種目別に動画をアップしているので、鮮明な動画はそちらをご覧いただきたい。上記3つの種目については、以下に貼り付けておく。大会の雰囲気を感じる点においては、私の方をご覧いただければと思う。

4雑感

(1)特等席のはずが

上述のとおり、私の席はゴール目の前の特等席。スタート前、ゴール後の選手の様子を目の前で観られるのだからさぞかしよかったかと思われるかもしれないが、実はそうでもない時間も多かった。

ダイヤモンドリーグが始まると、小さい子どもたちやその親たちが、ゴール後の選手たちに試合で使ったゼッケン、サインをもらおうと最前列に立って声を上げているので、私をはじめ後列の大人たちは立って観ざるをえない。

しかも、動画や写真を撮ろうにも、それらの人たちが邪魔になっていた。大会関係者も後列の大人たちも声をかけるわけでもなく、私もそれに従って、観づらいながらも、立ちながら観戦していた。この適当さフランスらしいと感じた。

一方、地元フランスやヨーロッパの選手の多くは、子どもたちの要求に丁寧に応えており、こうして陸上競技の裾野が広がっていくのかと感じた。

(2)子どもたちの人気者

子どもたちの声援を聞いており、注目が高かった選手を思い返してみると、3人が思い出される。もちろん地元フランスで優勝、又は上位に対する選手は人気があるのは当然であるが、ひと際と感じた選手は以下の3名。

マイヤー・ケビン(フランス、31歳、10種競技)
昨年も書いた気がしたが、デカスロンの世界記録保持者。昨年のオレゴン世界陸上も金メダル。本大会では、デカスロンはできないため、昨年同様に、3種目、トライアスロンとして、砲丸投げ、走り幅跳び、110mHを実施。参加選手は6名のみで、うち5名はフランス人で、ケビンの次を育てるためにやっている種目に感じた。ケビンが通りかかると、子どもだけではなく、親も彼の著書本なのだろうか、それにサインをもらおうと追っかけていた。

ヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー、22歳、中長距離)
上述のとおり、ノルウェー、ヨーロッパのスーパースター。彼のコール、そしてゴール後の声援、サインや写真を求めることはひっきりなしであった。インタビュー後は、それに丁寧に応えており、次のヤコブを目指す選手が増えてほしい。

ケリー・ホジキンソン(イギリス、21歳、中距離)
私は全く知らなかったのだが、やたらと大歓声が響いており、またレース後も私の目の前で真摯にサイン・写真に応じていた。今回の試合では、800mで1:55:77で英国新で、今シーズン世界ランク1位をたたき出した。今後が非常に楽しみな選手であり、注目していきたいと思った。大会主催側のレース動画も貼り付けておくので、関心があればご覧いただきたい。

5 最後に

世界トップレベルの選手が次から次に出てきて白熱レースが繰り広げられ、競技場を埋め尽くす大観衆、大歓声、改めてダイヤモンドリーグの魅力を感じた。日本でダイヤモンドリーグが開催され、多くの子どもたち、大人たちが陸上競技に熱狂する、そんな日が近い将来に来ることを願いたい。

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