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建設業の本質は「ヒト」と「モノ」。テクノロジーでサプライチェーン全体を最適化する。(サプライチェーンマネジメント・外川)

BALLASの成長や組織進化を支えるマネジメントメンバーを、インタビュー記事を通して紹介いたします。

今回は、広く深く建設業界と関わり続けてきた、執行役員・サプライチェーンマネジメント責任者の外川 喜裕に、建設業の課題とDX化に携わる魅力について聞いてみました。

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━━ 外川さんはBALLASの中でも「建設・建築好き」「建設業界にどっぷり」な印象が強いです。外川さんにとっての ”始まり” はいつでしょうか?

そうですね、建物が作られていくこと、建築物・建設物を見ることも含め、モノづくりは非常に好きです。

家業が土建屋だったことが最も影響していると思います。幼少期は父に付いて現場にいくこともあり、掘削用建設機械で斜面地を均すところから始めて最終的にダムが出来る工程にワクワクしていました。また、職人さん達はぶっきらぼうな方が多く現場には独特な緊張感がありましたが、そういった雰囲気もなぜか好きでした。

当時、小学生の外川さん(左)。建設現場のお手伝いの合間でお昼休憩。

━━ これまでのご経歴を教えてください。また、長く建設業に携わる中で感じているこの業界で働く魅力を語っていただけますか?

大学・大学院では建築学を専攻しました。修了後、ECベンチャーを挟んで、大学院在籍時にインターンしたスリランカの設計事務所で勤務することになります。現地のリゾートホテルや伝統住居などの建築物の設計プロジェクトに参画していました。

その後コロナを期に帰国し、建設系スタートアップである株式会社助太刀に入社しマーケティング・営業企画・事業企画に従事。2023年1月にBALLASへ参画、サプライチェーンマネジメントの責任者として勤務しています。

建設業と関わる魅力は、公共・民間問わず世の中のインフラとして必要とされるものを作り上げることだと思います。自分の造ったものが都市やまちづくり、人々の生活・活動の下支えに寄与できることがやりがいです。

━━ 設計から、人材、そして調達、広い建設業界でいくつもの領域でお仕事をされてきました。そんな外川さんですが業界課題をどのように捉えていますか?

日本の建設業界を俯瞰して見てみると、業界構造が如何に合理的であったかがわかります。製造業は仕組みやシステムを磨き込み、トップダウンに仕事を進める方が生産的ですが、不確定要素が多い建設現場では、属人的に対応した方が良い結果につながることが多々あります。

「多重下請構造」と表現される業界構造ですが、この構造を活かした有機的な人と人のコミュニティを構築することで、建設物のQCD(Qualiry・Cost・Delivery = 品質・価格・納期)を維持するのは理にかなってきたと思います。

しかし、この構造下、下請け企業やそこで働く人達が複雑で納期に追われる労働を強いることになっていき、建設業界は3Kと呼ばれるようなイメージが定着してしまいました。その結果として、深刻な人手不足や就労者の高齢化につながり、従来の良さを残した「多重下請構造」が維持できない状況になっています。

スリランカでの生活で、複数の国の方と日本の建設物・建築物について話をする機会があり、意匠面よりも構造や設備といった機能面や施工における精確さについて称賛されることが多かったことも、このような視点を持つきっかけです。

意匠設計におけるデザインを様々な制約の中で実現してきた方々の素晴らしさと重要性をあらためて認識する一方、その高い技術を持っている職人さんたちが、高齢化・継承者不足に陥っています。この状況を改善するためには、建築物・建設物ができる長いプロセスの一つを改善するだけでは足りず、全体を最適化していく必要があると考えています。

━━ この課題の認識が、設計以外の領域やDXに関わるきっかけになったのでしょうか? 

建設業の課題をプロダクト起点でどのように解決していくのか模索したいと考えていて、建設事業者と職人さんのマッチングサービスを提供している助太刀の理念に共感し入社を決めました。建設業の「ヒト」の部分、「職人さん探し - 建設現場探し」によって、お互いがリソースを最大限活用できる価値を提供する事業です。これが、建設DXや建設テックといった分野との関わり初めです。

その後、BALLASを知り、転職を決めた一番の理由は、実際に顧客のサプライチェーンに入り込んで製作物を納品するという点です。業務に関係するソフトウェアのサービスを作ったり、コンサルティングのような業務内容もとても面白いと思いますが、やはり取引やモノの流れに深く入り込んで高い解像度で業界のことを理解できることは魅力的でした。

建設業では複雑かつ再現性のないトラブルが多く発生します。そのような現場で起きている状況をなんとか段取りして乗り越えてきた人たちの素晴らしさをあらためて理解し、その上でデジタル的な解決策でデザイン性と生産性を両立する必要と魅力を感じています。

━━ BALLASでは具体的にどのような役割を任されていますか?

最適なサプライチェーンマネジメント体制の構築です。BALLASの事業モデルでは、見込み需要に対応できるサプライチェーンを構築する必要があり、その上で日々の業務を人から仕組みへ、仕組みからシステムへと要求・要件定義しています。その両方が持続的で最適な状態を維持しながら、会社の成長や「建設業の最適化」に寄与できるように鋭意取り組んでいます。
  
また、BALLASの事業には拡張性があり、これまでのナレッジや仕組みを部材の幅出しや、施工を中心とした案件の対応、さらに設計を起点に建設プロセスの上流から下流まで最適化された状態を作っていきたいと思います。

━━ スタートアップ2社を経験する中で、ご自身の働き方で意識していることはありますか?

会社のMVV(Mission・Vision・Value = 使命・理念・行動指針)や組織のために何ができるかを常に意識しています。また、BALLASが大切にしている「基本姿勢・基本動作」の中でも特に「言語化」や「仕組み化」はビジネスパーソンとして大切にしてきました。

ゴール思考で仮説検証を言語化・仕組み化しながら進めること。油断すると"犬の道"に入って、忙しさは感じるものの、大したインパクトが出せていない状況が起こりえます。私自身もそうですが、責任ある立場としてチームメンバーみんなと成果を出すためにも、大切にしています。

それと、業務に集中しすぎて、顔が堅いとよく言われてしまうので、不要な緊張感がないように可能な限り優しい雰囲気を纏えるようにも意識していますね。笑

━━ 組織やメンバーとの向き合い方において、他に意識していることはありますか? また、メンバーにはどのような期待をしていますか?

大前提、年齢や役職は関係ありません。それは、BALLASの文化でもあり、またスタートアップで活躍する人材として前提だと考えています。

マネジメントやチームという観点では、事業のフェーズが進んだり、組織が大きくなる中で、メッセージの粒度を調整する必要があると思っています。事業課題、方針、チーム戦略などの共通認識を持ち、組織全体のレベルを上げていくこと。また、メンバー個人の短中長期の目標と会社からお願いしたい業務内容が良いシナジーを生み出すことのいずれも重視しています。

自分の夢や目的と、BALLASのMVVとのシナジーがある方の参画を楽しみにしています!


建設業への熱い想いとともに、テクノロジーを通して業界の明るい未来を描く笑顔が印象的でした。外川さん、ありがとうございました。

*1:「イシューからはじめよ―知的生産の『シンプルな本』」安宅和人 (著)・英治出版

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