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孤独と芸術 5

脳と意識の関係―量子力学

 この結びつけ問題は、従来型のサイエンスでは解決することはできない。なぜなら、意識は肉体に宿っているのではなく別次元にあるからだ。それを説明するのが量子もつれ(quantum entanglement)の現象である。
 量子もつれとは、何の媒介もなしに関連付けがついた二つの粒子の相関のことで、この二つの粒子は物理的にどんなに引き離しても遠隔作用が存在し、同時に情報を共有するという現象である。

 情報が一方からもう一方へ瞬時に「伝わる」という表現すら不正確で、理論的にはどんなに離れていても“同時”に情報を「共有」しているのである。

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 例えば、ここに物質Aと物質Bがあり、それらを全く同じ形状の箱に一つずつ入れ、どちらがどちらかわからないものとする。

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 一つはその場に置いたまま、もう一つを百万光年先の宇宙のどこかへ運んだとき、当然実験者はどちらの物質がどちらの箱に入っているかはわからない。が、ここで箱を開けて、そこにあったのがBだとわかった瞬間、もう一方は箱を開けずともAであったことが同時に判明する。これが量子もつれだ。

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 量子論の不可解さを代表するもののひとつであるこの量子もつれだが、実は脳と意識がこの量子もつれの関係にあるという。そして意識は別次元の側にあるとされている。

五感を通じてもたらされた知覚をリアルタイムで統合できるのも、脳と意識が量子もつれの関係にあるからだと説明できるということになる。つまり知覚情報が「伝わる」のではなく同時に「共有」されているのだ。


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