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孤独と芸術 10

実験的な中間発表

 ①ビニール袋のガサガサ音
 ②ピアノの不協和音
 これらの二つの音は、私が卒業論文の中間発表にて、プレゼンの合間にいきなり聴衆に聴かせ反応を確かめたものである。
 音を不快に感じるかどうかは場所や状況によっても異なってくる。例えば、①ビニール袋の音を映画の上映中に隣でゴソゴソ鳴らされたらたまったものではないだろう。
 しかし、この音を心地よいと思う人間もいる。それは赤ん坊の頃のあなただ。ビニール袋のガサガサ音は実は羊水の音と似ていて、赤ん坊が聞くと母親のお腹の中を思い出して安心するのだ。
 さらに、②ピアノの不協和音についても、この音を聴いて「美しい」と感じた人は割合的には少なかった。これは、現代音楽の類を聴き慣れているかどうかで音をすんなり受け入れられるか、はたまた抵抗感を示すかが人によって変わってくるのである。
 以上の二つの音から、
①同じ人間でも年齢・場所・状況の変化で美を感じたり感じなくなったりする
②同じ時間・状況・場所を共有していても、その人のバックグラウンドや普段の生活などで美と感じるかどうかに差が生じる
 ということがわかった。



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