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書評 クラッシュ 絶望を希望に変える瞬間(とき) モータースポーツ+医療

五十路のおじさん、ばっどです。

クラッシュ 絶望を希望に変える瞬間(とき)
太田哲也

1998年5月3日の全日本GT選手権が開催された富士スピードウェイ。
強雨の中のローリングスタートで、その事故は起きた。

この事故で火災を起こした車両をドライブしていたのが本書の著者、太田哲也氏。
燃え盛る車両のなか、救出まで1分以上(救助したのはオフィシャルではなく、他のレースドライバー)。
ドクター曰く「ニキ・ラウダの10倍」という重度の熱傷を負った太田氏。彼が一定の回復をみ見るまでの、身体的、精神的な軌跡を軸にしたお話です。

書評とは関係ないが、私、ばっどはこの夏、肺炎と併発した膿胸の治療のため、手術+1か月にわたる入院を経験した。
太田氏の経験とは比ぶべきもないが、きつかった。膿胸の水を抜くための管を体にブラ下げた時期、器質化性肺炎の改善が進まず、調子悪さの極みに遭った時。「あああ~辛い。。。」というキモチが80%。「これホンマに治るんか。。。」が18%。残り2%が「いや、治さないと。」である。

治療の過程は読むだけでも壮絶を極め、読んでいても「いやほんまにどこまで治るんですか」と思わせる描写の連続です。

自分はといえば、重症なれど肺炎。
ある程度治療法が確立された病気。
あえて入院中読みはしなかったが、この本のことを思い出したり、同じ病棟に入院されている高齢の患者さんのご様子を見て、「いや俺まだ若し頑張らんと」という気持ちを少しずつ持てた。
何よりも家族のサポート、ドクター、看護師さんほか病院のスタッフの前向きな接し方を支えに、何とか退院まで耐えることができた。

程度の違いはあれ、自由がきかなくなるような怪我・病気は人にいろいろなことを考えさせます。
怪我や病気は、養生、摂生、注意していてもいつ自分の身に降りかかるかわかりません。
予習?のためにも、オススメの本です。勿論、レースの好きな人にも。

続編「リバース 魂の戻る場所」も是非読んでください。

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