
書評 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 異色すぎる青春の道標!
五十路のおじさん、ばっどです。
僕に踏まれた町と僕が踏まれた町
中島らも
すでに鬼籍に入られた、兵庫は尼崎出身の超異色作家?の新聞連載エッセイの書籍化です。
新聞連載期間は87年3月~88年12月。
当時実家か購読していた朝日新聞の播但版のローカル別刷り版に連載されており、当時高校2~3年生だったばっどには刺激的な内容で、毎週楽しみにしていた。
89年6月に書籍化され、購入して手元にあるのは20刷(93年2月)なので、社会人になってからわざわざ買ったと思われる。
衝撃的な印象が残っていたのだろう。
著者は尼崎出身、兵庫の超進学校の灘高を経て大阪芸大を卒業、会社勤務を経て、普通の人から見ると訳のわからない著述業その他へと転身した、有名人としては他に類を見ない変人。
この本が刺さったのは、作品中に在住地である東播地域に関連するエピソードが含まれていたこと、これから自分が迎えるであろう大学生活に関するエピソードが含まれていたことが主因だったと思う。
「おお!大学に行けたらこれくらいフリーでも良いのかも?」という認識を得ることで、進学して家を出ることに対する不安をいくばくか解消するきっかけ?にもなったのかもしれない。
別刷り地域版とはいえ、朝日新聞に連載するような内容ではない振れ幅の内容(非常識までの破天荒さだったり、無気力さだったり・・・)で、当時の常識的な大人はこれを読んで何を感じていたのか?今この記事を書いていて思うところではある。
今の若者が読んでも、影響の受けようもないような内容かもしれませんが、感受性は人それぞれ。
中高生~大学生で、何らかの閉塞感を感じている人であれば、何らかのキッカケが見つかるようなこともあるかもしれません。
中高生時代のエピソードは、単に腹を抱えて笑う、とうような話も多々あるので、それもまたこの本のイイところ。
文庫があり絶版ではないようなので、細々と需要はあるのでしょう。