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社会人1年目から10年目までの視野の変わり方
私は今年社会人13年目になります。
4月の季節になると、社会人になったばかりのことを思い出します。
過去のことを思い出しながらたまには真面目なことを書いてみたいと思います。
なにを書くかと言いますと、
私の社会人1年目からの視野の変わり方です。
社会人1年目 | 先輩は絶対
まず、社会人1年目の頃ですが、先輩社員が輝いて見えてました。
そして、身体を乗り換えたいと思うことも多々ありました笑
理由は簡単です。
知らない世界が怖かったんです。
1960年代からIT業界がはじまり、歴代の先輩方が試行錯誤を繰り返しながら築いてきた産業に何も知らない若造が足を踏み入れるのです。
ムリゲーですよね
だからこそ、私の中に生まれた考え方が、
先輩社員の言うことは絶対
となってしまった訳です。
新人時代はこの考え方に悩まされることになります。
というのも、仕事には答えがないからです。
プログラミングなら答えはあるようにも思えますが、プログラミングと言っても、1つの言語だけではないのです。
bash、java、perl、python、javascript、SQL(プロシージャ) などなど…。
身近なソフトであるExcelを使いたければVBAもあります。
それぞれに長所があります。
例えばpythonです。
これはネットで無料公開している拡張機能が充実しています。
そのため自分でわざわざ一から実装する時間を削減できます。
画像加工処理に関しては自分で一から作るのは難しく、pythonの拡張機能を使ったほうが手っ取り早いです。
ただし、pythonの仕様で処理時間が遅くなりがちだったりします。
性能重視でいくのであればbashを使うのがベストです。
shellscriptの分野になるのですが、Linuxなどに搭載されている標準コマンドを使えるので処理速度がとても速いです。
処理速度が速ければ、その分お客様へのサービス提供時間を速くできます。
例えば、メール機能を提供しているのに、1分で連絡が来るのと、1時間で連絡が来る2つの機能があれば前者を選びますよね。
では、複数の先輩社員にプログラミングについて助言をもらうとしましょう。
2人の先輩社員にこんな質問をしてみるとします。
「カメラで撮影した写真を加工して、メールで送信するサービスを作りたいのですが、どの言語がオススメですか?」
先輩A「pythonで実装するのが良いと思うよ。pythonはメールも送れるから1つの言語で済むし、オススメだよ。」
先輩B「pythonで画像加工して、メールはshellscriptで実装するのが良いと思うよ。こっちのほうが性能が良いからね。」
このように、先輩から別々の回答がされました。
驚くことにこの2つの回答はどちらも正しいです
これが受験勉強との違いですよね。
そして、どちらの助言を取り入れるかは、自身の知識に左右されます。
知識があれば、実現イメージに近い助言を取り入れられます。
しかし、知識がなければ、誤った方向に向かい続けます。
私は社会人1年目の時、知識がなく、先輩社員からの助言を全て取り込もうとしてしまい、矛盾に悩まされてしまいました。
そして、誤った仕事内容を先輩に指摘された時に思いつく言葉は、
「いや、先輩の助言通りにやっただけなんだけど…」
です。
これが世間一般的に言われている、周りが見えていない人の典型例だと思います。
仕事におけるさまざまなシチュエーションの中で、先輩の助言が絶対だと勘違いしているのです。
そう、私の社会人1年目の視野は、
周りが見えていない
だったのです。
知っている世界が少なすぎることで、周囲の助言が絶対だと思っていました。
でも、これって直すのがすごい難しいのですよね。
改善しようとしても無意識にやっているので見つめ直すきっかけがないと気づけないのです。
社会人2〜4年目 | 自分の考えを持つ
そして、この視野こそが、周りの同期との成長の差に繋がっていきます。
同期はその辺りのセンスが抜群でした。
先輩社員に質問する前に、自分の中で予測を立てていたのです。
コレ当たり前にやってるようで難しいです。
なぜなら知識がないと予測すら立てられず、何でもかんでも先輩に「教えてください」と言ってしまいます。
結果、助言を鵜呑みにしてしまいます。
でも、日本の教育だとこのような考え方になってしまうのはしょうがないのです。
なぜなら、答えがある勉強しかやらないからです。
算数なら1+1=2のように答えがありますよね。
大学受験までずっと同じ勉強をしているので、これが当たり前だと思い込んでしまいます。
これを是正するために、先輩がある試みをしてくれるようになりました。
「ばーこしはどう思うの?自分で考えてごらん。」
自分の考えを持つ癖をつけようとしてくれたのです。
実際に言われるとめちゃくちゃ意地悪に感じます笑
でも、今では感謝してます。
正直、新人のうちはこの考え方を是正するのが仕事のメインだと思うぐらいです。
この頃から徐々に先輩社員が絶対の存在ではなく、助言をくれるだけの存在であると認知しはじめました。
徐々にコツを掴みはじめ、スムーズなやりとりが出来るようになってきました。
「この問い合わせですけど、欠航済みの便に対して変更を加えようとしてるのだと思います。
システムとして欠航便の変更ってボタンが活性化されてるんですかね?」
「なるほど、欠航便だと思ってるから迷ってるんだね。欠航便のステータスもいくつか種類があるから、完全な欠航便なのかもう一度仕様書を見てごらん。」
では、今まではどんな質問をしていたのか?
書くのであればこんな感じだと思います。
「この問い合わせですけど、欠航済みの便に対する操作でエラーコードが出てました。
過去の問い合わせも確認したんですけど、類似のものはなくて、なぜエラーになってるか分からないです。」
「うーん。なんの操作をしていたの?」
「変更…ですね。」
「変更できる便のステータスとかって調べた?」
「いや、まだですね。」
「エラー番号だけ言われてもこっちは分からないよ。」
全く違いますよね。
解決の意思は感じますが、どこで誤った方向に向かっているのか分からないため、助言が先に進めないのです。
ただ、上司になる方も教え方を工夫しなければ後輩もこの癖を直すことはできないんです。
難しい問題ですね…。
私が社会人1年目の頃は、
「違うよ。そのファイルじゃなくて、こっちのファイルに書くんだよ。」
「はい。わかりました。」
という、指示だけの指導を受けていたため、考え方が是正できませんでした。
しかし、良き先輩に会えたことで、考え方を変えることができました。
先輩は助言をくれる存在。依存してはいけない。
この考え方を持って経験を積んでいけば、あとは何でもできるようになっていきます。
ただ、それだけでは作業者としての実力しかつきません。
社会人5〜7年目 | 手を抜く勇気
転機が訪れます。
5人の部下を持ち、チームリーダーをやることになったのです。
作業者だけでなく、管理者としての仕事を求められるようになりました。
正直、不安だらけです。
案件の進捗、課題をヒアリングし、さらに成果物を確認するようになりました。
そして、メンバーの教育もあります。
歴代の先輩達が毎日イライラしていた理由がだんだんとわかりはじめます。
自分はしっかりやっているのに…!
何でもかんでも頼ってくるんじゃないよ…!
言い訳はいいから結論を言ってくれ…!
作業者の時は自分さえよければ良かったのです。
しかし、チームリーダーはメンバー全員が円滑に動けることを考えなければいけません。
そして、当然ながら自分の時間は少なくなります。
そう、時間は有限なのです。
私は一つ一つの仕事を完璧に作業しないと気が済まないタイプの人でした。
先輩からの助言は、
手を抜けるところは手を抜きな。
でした。
そう、社会人5年目から、手の抜き方を学ばなければいけなくなったのです。
具体的には相手が求める完成度8割を目指します。
しかし、この塩梅が分からず、とても苦労することになります。
私はとても不器用で、手を抜くとすぐに見抜かれてしまいました。
おそらく完成度3割にするか、10割にするかの2択しかできなかったのでしょう笑
チームリーダーになる前は残業が毎月10時間程度だったのに対して、なった後は毎月30時間に増えてしまいました。
なぜならコツが掴めず、相変わらず手を抜かずに作業していたからでした。
そして、社会人7年目、再度転機が訪れます。
今度は協力会社の10人を管理することになりました。
しかも、大規模なシステムリプレースの案件でした。
やがてその時は訪れます。
身体が壊れてしまいました。
この時の毎月の残業時間は85時間でした。
休日出勤はしてないものの、平日は9:00から23:00まで働く時間に相当します。
10ヶ月間この状態が続いて壊れてしまいました。
とはいえ、責任を投げ出すことはできませんので、やり切りました。
リプレース当日は72時間交代勤務でした。
39.6度の熱の中、解熱剤を処方し、無理やり出社しました。
一時的ではありますが、当日は自チームの協力会社だけでなく、リプレースの管理者として70人近くの動きを管理することをやり切りました。
もちろん努力の甲斐もあり、自チームからは不具合は1つも起きませんでした。
会社がそんな職場に放り込んで、全くフォローしてくれなかったというのも原因ではあります。
しかし、私自身が手を抜けなかったことも原因の1つでした。
身体が壊れるまで仕事をするものではありません。
リプレース案件が終わってからは別チームに異動となり、そこで手の抜き方を考えて仕事するようになりました。
社会人8〜10年目 | 心に余裕を持つ
新しいチームへ異動となりましたが、社会人7年目の身体を壊した出来事で会社に失望した私は一年後に転職をすることにしました。
チームリーダー恐怖症となっていた私は、転職後の会社では作業者として働きたい旨を伝え、希望を叶えてもらいました。
はじめのうちは、新しい会社でのルールや人間関係で苦労するものの、心境の変化がありました。
ここでやっと気づくのです。
あぁ、会社によって働き方って変わるんだな。
今までは、新卒で入れてもらえた会社ということで恩返しをしたくて一生懸命業務を遂行してきました。
しかし、頑張った結末は身体を壊すことだったのです。
転職という考えは頭をよぎったことはありましたが、目の前のことに精一杯で深く考えることはありませんでした。
また、環境が変わることが怖く、前向きではなかったと思います。
でも、いざ転職してみると、前の会社の環境はなんだったのだろう?と俯瞰して過去を見ることができるようになってました。
この考え方が心の余裕に繋がりました。
簡単に例を挙げると、下記のような感じです。
何事も完璧にこなそうとしすぎない。
失敗しても殺されることはない。
失敗をしたとしてもリカバリすれば大丈夫。
失敗をしても良いということはありませんが、失敗を100%しないようにするのは身体に無理がかかります。
当時は「失敗したらどうしよう」という漠然とした不安から完璧に仕事をこなすことを目指していました。
でも、本質はそこではなく、心に余裕を持って仕事をしたほうが幸せなのだと気づけたのが、10年経った私の視野になります。
気づくまで遅すぎたような気がします笑
IT業界に限らず、同じような悩みを持ってる方のご参考になれば幸いと思い、このような記事を書きました。
また、別の機会に真面目なことも時々書いていきたいと思います。
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