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時空を超えて出会う、小さな君

写真に写る、白髪の老人。
君のおじいちゃん。

横にちょこんと座り、絵本でも読んでもらっているのかな。
小さい君。

僕と君は、同い年。

遥か10000km 彼方、日本という国で同年に生まれ、同じように絵本を読み聞かされていた僕。

僕の祖父も、絵本をいっぱい読んでくれたんだよ。

僕たちは、未来で結婚した。

交際期間も入れると、知り合って大分経つね。

僕たちは、人間。
それぞれ、各々の感情を持っているね。

その感情を引っさげ、僕たちは知り合ってから何回喧嘩したかな?

覚えている限り、2回?

未来で出会った僕たちは、ビックリするくらい喧嘩をしないね。

その理由はなんだろう。

まず第一に、君は本当に優しい。

でもね...…

実は僕にも、隠れた必殺技があるんだ。
君と喧嘩にならないための、必殺技。

今まで君に、一度も言ったことはないよ。

たぶん、今後も言わないよ。

それはね、僕の感情が君に向けて攻撃的になりそうな時、僕は君の子供の頃の写真を見るんだ。

君が今まで僕にくれた、たくさんの君の子供の頃の写真。

携帯に、たくさん保存してあるんだ。

僕の感情が、君に対してマイナスに持っていかれそうになった時、その写真を眺めるの。

そうするとね、いつもより我慢できるの。
いつもより、優しくなれるの。

不思議だね。

でもね、その写真には、君が家族から愛されていたあかし がつまっているの。

そんな家族にとって大切な孫である君、娘である君、姉である君、姪である君、

そして僕と出会うまでの、君の人生の軌跡。

そこに思いを馳せるとね、なんだか君に優しくなれるんだ。

言葉をしゃべって、物心がつき、初恋を経験し、青春を謳歌したのち、社会人となって、挫折と成功もあったよね。

色々あって、僕と出会ったんだよね。

そんな君の半生を写真を通して見ると、なんだか喧嘩する気が失せるんだ。

全てを引っさげ、僕と出会った奇跡。単純に、そこに感動なんだよね。

なんか思うんだけど、

みんな、子供の頃の写真を交換し合えばいいのにね。


君が、今日くれたこの写真。

僕と出会う前に、生涯を終えた君のおじいちゃん。

きっと可愛いお孫さんだったんですね。笑顔が愛に満ち溢れています。

君のおじいちゃんが君に注いだ愛が、10000km 先からやってきた僕を、優しくさせる。

僕は君の家族として、一番近い存在として、君の家族の愛の先頭に立つよ。

こんなに、大切に育てられたんだもん。

みんな、君の事が大好きなんだよ。

僕もだよ。

これからも、ずっと一緒だよ。


最後までご一読、ありがとうございます。

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