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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ千葉ヨメン ② ~伝説のはじまり~

<概要>

現在僕も参加させていただいている創作企画、「すっぱいチェリーたち」。

青春真っ只中の高校生活を舞台とし、普段より note で交流のある方々がそれぞれ思い思いのキャラクターに扮して登場、物語を創作していくという非常に楽しめる企画である。

先日、スピンオフとして僕ばちょめんが帰国子女の「千葉ヨメン」くんに扮し、ニューヨークの高校から舞台となる日本の高校へ転校していく流れを描いた。

フィクションを描く難しさと楽しさを痛感した僕は、もう一度続きを投稿したくなり、こうしてこの記事を書き始めている。

おおさわさんの超大作、登場人物メモがこちら。

【今回の主な登場人物】

宇利盛男うりもりお

貝差彩子 かいささいこ

千代子

波都子はとこ


※本記事は、非常にうちわネタが多用されています。またスタエフ内のコメント、会話を基に創作しているため、そちらを聞いていない方は理解できない箇所が多々あると思います、ご容赦を。

それでは本編どうぞ。

#レッツチェリー🍒


<伝説のはじまり>

盛男「奥さん、ネギ買いすぎとるやないかい!」
僕「盛男くん、やめなよ!ダメだよ、迷惑だから」
盛男「買い物袋見せてみー!今晩カレーやないかい!!」
僕「もう行こう!盛男くん!」

学校からの帰り道、駅前の商店街に差し掛かったところ、クラスメートの盛男くんがまたしても無差別に買い物客へツッコんでいた。

丁度先週も、盛男くんの姿がここ、商店街にあった。
僕の姉である貝差彩子に告白をし、壮絶にフラれた腹いせに、ボケてもいない主婦相手に商店街でとにかくツッコむ。

盛男くんは自暴自棄になると、こうした謎の習性を持ち合わせているようだ。

僕「もう行くよ!」

そんな盛男くんを黙って見ていられなかった僕は、今こうして必死に彼の腕を引っ張り、その場を離れようとしている。
ところがそれに全く従わない盛男くんは、引き続き周囲の人々へツッコみ続けている。

すると突然、

「どうしたの?2人して」

振り返るとそこには、クラスメートの千代子、波都子の2人が立っていた。

僕「あ、千代子ちゃん、波都子ちゃん!実は盛男くんに変なスイッチが入っちゃって、知らない人にさっきからツッコみまくってるんだけど、全然やめてくれないんだ」

千代子、波都子「ねぇ、盛男!迷惑だから、やめなさいよ」
盛男「誰が俺の気持ちなんてわかんねん!」

全く僕たちの忠告を聞き入れない盛男くんに耐えかねた波都子ちゃんが、驚きの行動に出る。

波都子「おっけー、ヨメンと千代子、ちょっとあっち向いてて」
僕と千代子「え?」
波都子「すぐ終わるから」

ドスッ

盛男「ウホっ」

振り返ると、気絶した盛男くんが波都子ちゃんに寄りかかっていた。

波都子「さぁ、盛男を保健室まで運ぶの手伝って」


波都子ちゃん、なんか、つよい...…


僕の今までの波都子ちゃんの印象は、美肌で、おしとやかで、清楚。
.........…
きっと波都子ちゃんには、誰もまだ知らない秘密の過去があるのかもしれない。

こうして盛男くんを担いで学校に戻った僕たちは保健室へ向かい、盛男くんは茶保先生の手当てを受けた。
その間、千代子が口を開く。

千代子「盛男くん、最近いろいろ立て続けにあったからねぇ」

千代子はクラス随一の情報屋として知られ、寿賀美、風歌と共に仲良し女子3人組の一人として知られている。千代子を筆頭にこの3人組は非常に洞察力に優れ、クラスメートの異変、人間ドラマにはいち早く気づく名トリオである。

千代子「盛男くん、彩子に2回フラれた後、すぐに小室哲子ちゃんにも告白して、それも瞬殺でフラれたらしいのよ。それで自暴自棄になっていたんだと思う」

そうこうしているうちに、盛男くんが目を覚ました。

盛男「...…あれ、ごめん、また俺、迷惑かけたかな...…」
千代子「それじゃ私たちはこの辺で帰るね」
盛男「あっ、もしよかったら今回のお詫びに俺の家で何かふるまうよ」
波都子「いや、大丈夫」
盛男「...…」

こうして千代子と波都子は、恋多き男からの危険を察知し、足早に帰路へと着いた。

盛男「...…...…ヨメン。うち来るか?」
僕「そうだね、お邪魔していい?」

こうして僕は一人、盛男くんのお家へお邪魔する事となった。


盛男「おかん、これ転校生のヨメンくん」
僕「はじめまして、ヨメンです。お邪魔します」
盛男母「あら、ゆっくりしていってね、こんにちは」

お母さんへの挨拶もそこそこに、彼の部屋がある2階へと向かう。

盛男「まぁ、適当にくつろいでや~」

ニューヨークから日本へ転校してきて以来、初めて友人宅に招いてもらい、その喜びと共にいよいよ僕は日本で生きていくのだと実感した瞬間でもあった。

盛男くんの部屋を見渡すと、男子学生らしいものがズラリと並んでいるが、特に目を引くのが、たくさんの数のBBQ指南書だ。

「正しいBBQ入門編」
「自宅に招いてBBQ!」
「友人集めてBBQ~自宅編~」

本棚にビッシリつまったBBQ関連の本に驚きを隠せず、ついつい提案してしまう。

僕「盛男くん、クラスメートみんな集めて、盛男くんの家でBBQしようよ!」
盛男「やらへん!!絶対やらへん!!」
僕「どうして?みんなに住所教えるね」
盛男「だからやらへん言うとるやん!何回言うねん!!」


盛男くんのお母さんがジュースとお菓子をお部屋へ持ってきてくれたところで、盛男くんが話し始めた。

盛男「ヨメン、お前将来の夢とかあるか?」
僕「...…特に今はないよ。日本に来たばかりで、まずはこの国に慣れるのが先かな。盛男くんは?」

ここで、盛男くんはジュースを一気に飲み干し、一息ついた後こうきりだした。

盛男「ヨメン、今日は、俺のラジオの練習相手になってくれへんか?」

僕「...…ラジオ?」

盛男「せやねん。最近思っとるんやけどな、なんかそう遠くはない未来で、人は携帯電話を使って簡単に個人でラジオ番組を持てる時代が来ると思てんねん」

僕「そんな事ができるようになるの?」

盛男「あぁ、間違いない」

僕「すごいね。じゃあ盛男くんも、自分のラジオをやるの?」

盛男「ヨメン...............…」


それが、俺の、夢や


真っすぐ前を見つめそう宣言した盛男くんの瞳は、眩しいほど輝いていた。


僕「すごいじゃん盛男くん!願えば叶うよ、その夢きっと!」

盛男「もうラジオのタイトルも決まってんねん。ほんでな、今日はその予行練習いうことで、ヨメンに手伝ってほしいねん。マイクもなんもあれへんけど、練習付きおうてくれるか?」

僕「もちろんだよ。で、僕はどうすればいいの?」

盛男「まぁ適当に相槌打っといてくれたらええわ」

僕「わかった!」

盛男「ほな、いくで」


盛男「笑っていい解、あなたのお悩み、解決しま~す。ということで始まりました、わたくし~うりもりおと申します~~」

盛男「そして、このラジオの相方は.........…」

...............…

...............…

えっ!!?


僕「あっ、えっ、えっと、千葉ヨメン、千葉ヨメンです!.........…」

盛男「よろしくおねがいします~~」


こうして盛男くんの未来のラジオ番組が幕を開け、僕はその後1時間半ほど彼の練習に付き合った。

盛男「傾いとるやんか!」「何回言わすねん!!」「もうええわ!!!」


この練習が、盛男くんの将来の夢を叶えると信じて。


【翌日】

彩子「よう、弟。おはよう」
僕「あ、姉さん、おはよう」

彩子は僕の双子の姉。僕たちが双子である事を知らなかった彼女に先日、事実を伝えたばかりだ。

彩子「もう日本はだいぶ慣れたやろ?」
僕「だいぶ慣れたよ。昨日も盛男くんのお家に遊びに行ってきた」
彩子「2人で家で何やんねん(笑)」
僕「ラジオの練習だよ。盛男くんは将来、自分のラジオをやるんだ」
彩子「えっ?...…そっか、ラジオね...…」
僕「姉さん、どうしたの?」
彩子「いや、別に...…ラジオ...…おもしろそうやん」
僕「姉さんも、ひょっとしてラジオに興味があるんじゃないの?もしそうなら、盛男くんと、将来一緒にラジオやればいいじゃん!」
彩子「えっ、...…私はええよ、そんなん」

僕は血を分けた弟だから、よくわかる。

姉さんは、おそらくラジオに興味がある。

これは、弟の勘。

将来、この2人が一緒にラジオをやる事になれば、きっとたくさんの同級生、学校関係者たちがこの番組に遊びに来ることになるだろう。

そんな楽しいラジオ空間が、未来で実現されることを願って。

盛男くんのラジオの夢が、叶うことを願って。

今日も僕は、すっぱい高校生活を、みんなと共に歩んでいく。

つづく.........…のか?


最後までご一読、ありがとうございました。


<あとがき>

この記事を読んでいる、未来の皆様。盛男くんが夢を叶えたかどうか、確認してみてくださいね。


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