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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #123~グレゴール・ピアティゴルスキー リリ・ブーランジェ『夜想曲』(1936年10月 東京録音)

先日『コル・ニドライ』をご紹介したグレゴール・ピアティゴルスキーGregor Piatigorsky, 1903年 4月17日 - 1976年 8月6日)。

彼が来日の折、1936年10月22日、東京で録音したリリ・ブーランジェの『夜想曲』。

つい最近入手した。

作曲家・指揮者・ピアニスト・教育者として、20世紀フランス音楽界に多大な影響を与えたナディア・ブーランジェの妹、リリ。

生まれつき虚弱で、クローン病により24歳で夭折した彼女は、作曲家として姉ナディアを上回る天才ぶりを発揮した。

フランス作曲家界の登竜門『ローマ大賞』。

姉ナディアはパリ音楽院に入学してから10年間で4回チャレンジし、準優勝に辿りつくのがやっとだったが、リリはパリ音楽院入学後わずか1年、20歳で大賞を勝ち取っている。

ナディアとリリの姉妹は互いを必要とし、尊敬しあっていた。

リリは明らかにフォーレとドビュッシーに影響を受けている。

色彩を感じるのと同時に、不安定さ、翳り、喪失感がある。
リリの健康問題とそれは深く関係していたのだろう。

元々、ヴァイオリンとピアノのために作曲された『夜想曲』。

ピアティゴルスキー自らの編曲で、まるで最初からチェロのために書かれたかのような、優美さに隠れた透明感を纏った哀しさ。

盤のランアウトには『Gregor Piatigorsky 22. Ⅹ. 1936 Tokyo 』とピアティゴルスキー本人のサインが刻まれている。

アメリカ、イギリスではおそらく未発売。

クレデンザと相性抜群👍

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