クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #121~グレゴール・ピアティゴルスキー『コル・二ドライ』(1929)
前回、同時代にベルリン・フィルハーモニカーの首席チェロ奏者だったアーノルド・フォルデジーの『コル・二ドライ』(1926年)をアップした。
なので、もう一人の首席、世間的には「百万ドル・トリオ」(ハイフェッツ、ルービンシュタイン、ピアティゴルスキー ※初代チェロはエマヌエル・フォイアマン)で名高いグレゴール・ピアティゴルスキーの1929年録音の同曲を。
こちらはピアノに加え、オルガンも伴奏に入り、ユダヤ教の音楽からメロディを拝借したこの曲のイメージを、より明確にした、そしてフォルデジーよりもさらに「溜め」を持たせた音楽の運び。
ピアティゴルスキーは「百万ドル・トリオ」という言葉のマジックで、何だかとても巨大な音楽をバリバリ弾きこなすようなイメージを持たれることも多い。
しかし、実はコンチェルトなどより、こうした緻密で丁寧な演奏で室内楽作品の方に遥かにその適合性を見せるようなチェリストだ(ドヴォルザークのコンチェルトも、人並み外れて素晴らしいが・・・)。
是非、彼の手の中に納まったブルッフのこの名曲を、クレデンザ蓄音機で。