エルネスティーネ・シューマン=ハインク ブラームス『子守歌』(1906)
エルネスティーネ・シューマン=ハインク(Ernestine Schumann-Heink, 1861年6月15日 - 1936年11月17日)。
19世紀の終わり四半世紀から20世紀の初め四半世紀に活動したドイツ出身のコントラルトである。
ドレスデン、ハンブルクなどで活躍。バイロイト祝祭でも1896年から1914年の長きに渡って中心メンバーとして活躍した。
そして1898年、当時の成功を収めた歌手の多くがそうであったように、ニューヨークのメトロポリタン・オペラにも進出、1932年までに284回出演した。
ロンドンのコヴェント・ガーデンではマーラーと共演もしている。
更に1909年、ドレスデン・ゼンパー・オーパーで行われたリヒャルト・シュトラウスの『エレクトラ』初演に、コントラルトにとっては大切なオペラ・レパートリーのひとつであるクリュテムネストラ役で出演。
しかし、シューマン・ハインク自身はこのオペラに高い評価を与えていなかったという。
一方、作曲者の方も彼女の演技には否定的だったという。
当時のオペラ界にあって、飛ぶ鳥を落とす勢いだったシュトラウスの作品に物申す38歳のコントラルト。残された写真の”肝っ玉母さん”のような風貌を見るにつけ、こんなエピソードにも「納得」・・・。
そんなシューマン=ハインクはVictorに数多くのアコースティック録音を残している。
今回はその中から1906年9月12日、ニューヨークで録音されたブラームスの『子守歌』Op.49-4 をHMV-102で再生。
シューマン=ハインク45歳当時の録音。
小アンサンブルをバックに、余裕なトルクで丁寧に歌を紡いでいく彼女のおおらかな歌声を。
Bach Kantaten