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盆栽babyの主観100%!その辺を歩いてて生えてそうなおすすめキノコ

盆栽babyです。今回は皆さんにもキノコに触れ合ってもらいたいと思い、その辺に生えてそうなキノコの解説と主観的なエピソード等を語っていきたいと思います。キノコを食べない人もぜひ読み物として楽しんでいただいて、普段歩いている時にちょっとキノコに意識を向けるきっかけになれば嬉しく思います。

・フォーマット

こんな感じでキノコの紹介をするよ、というものを示しておきます。

・キノコ名称

キノコ写真

発生時期:○月〜○月
エピソードトーク:このキノコの特徴やこのキノコに関連する話を書きます。最低限のキノコの特徴は示しますが、図鑑に載っているような正確な情報や専門用語は載せません。そういうのが見たかったらWikipediaで調べてください。
うまさ:☆☆☆☆☆ 5段階評価(ここにどれくらいのうまさかを書く)
主観的な味の内容を書く

・前提、注意点

・キノコ食は大変危険です。同定1ミスで良くて嘔吐下痢、下手すればキノコ1本で死に至ります。自信のないものは食べない、ちゃんと知識のある人に聞く。これを徹底しましょう。私に聞いてもらえれば、即座に断言できるものは食べていいと思います。
・キノコは基本的に生食NGです。皆さんがよく口にするエノキタケでさえ、生で食べたら血を吐くほど苦しむことになります。全てのキノコはちゃんと火を通すことを前提に評価しています。

・春のキノコ(3月下旬〜5月)

・アミガサタケ

一発目からこんな一般的なキノコの形とかけ離れたものでいいんだろうか…

発生時期:3月下旬〜4月
春キノコの代表例といってよいキノコ。キノコらしいカサもヒダも見当たらず大変奇妙な形だが、おかげで間違えることはないだろう。茶色いやつ、黒いやつ、とがってるやつ、丸いやつとで実は細かい種分があるが、食用の上では大した問題ではない。イチョウを含む雑木林や公園、路傍やツツジの植え込みなんかに生えるため、その辺を歩いていても見つけ得るキノコだろう。フランスではモリーユと呼ばれ、珍重されているらしい。
うまさ:★★★☆☆(なかなかうまい)
旨みと少しの甘み、独特な食感が持ち味のキノコ。食感は「独特な食感が面白い」という人もいれば、「ゴム噛んでるみたいでキモい」と思う人もいるだろう。いい出汁が出て、特に洋風の煮込み料理やパスタに向く。

・ハルシメジ

生える植物によって、ウメハルシメジやノイバラハルシメジなど、細かい種分がある

発生時期:4月中旬〜5月中旬
春の名を冠した、同じく春を代表するキノコ。カサはねずみ色で、裏側のヒダは白色のち成熟すると薄ピンク色になる。形がよく似たキノコに毒キノコの「クサウラベニタケ」があるが、生える時期が全く違うので大丈夫だろう。

これがクサウラベニタケ。そっくりだ。
同じ種族の仲間である。
ハルシメジと同様に、裏側が薄ピンク色を帯びている

私は申し訳ないことに見たことがないが、公園や果樹園などに生えるキノコらしく友人の目撃例もあるため紹介させていただいた。
うまさ:☆☆☆☆☆(うまいらしい)
申し訳ないが食べたことがない。

・ササクレヒトヨタケ

キノコの撮影に全く向かない暗さであることが、私が全くキノコを探すつもりでなかったことを示す

発生時期:4月〜11月上旬
と図鑑には書いてある。私は8月と11月にしか見たことがない。
「マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ」の発売日、歩いてゲオへと向かう途中で、ふと木の根元に白い違和感を感じた。ゴミかなにかかと思いつつ一応引き返してみると、そこには最高の状態のササクレヒトヨタケがあったのだ!その日はマリルイどころじゃなく直帰し、キノコ料理を楽しんだ。
細長く白色で褐色の鱗片を持つ変わった形のこのキノコは、さらに変わった性質を持つ。それは、その名の通り一夜でカサ全体が真っ黒に液体化しなくなってしまうことだ。実はこれもキノコの戦略のひとつで、自分を消化する酵素を出してカサを溶かし、その中に成熟した黒い胞子を入れることで子孫を広げようというのだ。まるでトリコの特殊食材のようなユニークな性質だが、カサが溶ける前なら食べられる。家に帰るまでに溶けないように、相当若い個体でないと持って帰れないだろう。発生数は少なくないが、食べられるのは激レアなキノコだ。
うまさ:★★★★☆(うまい!←うまさに感嘆符がつくくらいのうまさ)
見たことはあったが食べるのは今年で初めてだった。シンプルに炒めて塩コショウで食べてみたが、柔らかく滑らかな食感のカサは噛むと確かな旨みがあり、明確にアミノ酸を感じた。柄は繊維質で、カサとは別の食べ物として食感の違いを楽しむのがいいだろう。

・梅雨時からのキノコ(6月〜)

・オオシロカラカサタケ

親の顔の次に見た
本当にどこにでもある

発生時期:6月〜10月
これは毒キノコだが、例外的に紹介させていただく。このキノコほどその辺によく生えるキノコは存在しないからだ。カサは白く、鱗片がいくつか着く。柄も少し茶色っぽい白色で、太い。裏側のヒダは初め白色だが、成熟すると緑色になる。緑色になるキノコは日本でオオシロカラカサタケだけなので、容易に見分けができる。カサが7〜30cmにもなるその大きさと白さ、そして芝生などの肥沃な土地があればどこからでも生えてくる普遍性により、私が人生で最も写真を見せてこのキノコが何か聞かれたキノコである。多分、親の顔よりは見ていないが一番の友人より見ているだろう。キノコ見つけ初心者向けなので、まずはコイツを見つけてキノコを見つける楽しさを知って欲しい。間違っても食べないように。

うまさ:☠️☠️☠️☠️☆(ギリ死なない)
食後30分〜3時間で激しい嘔吐下痢、血圧低下、悪寒、重症時は血便を引き起こす。胃腸系中毒を引き起こす毒キノコの中でも毒性が強い方で、たいへん苦しむらしい。よく生えて見分けやすいので、今すぐなんとしてでもダイエットしたい方はぜひ。味の感想も聞きたい。

・ヤナギマツタケ

若いうちは薄茶色で、上にある同一種の胞子を
被ると濃い茶色になる。
柄についたマント状のものが「ツバ」。膜状に広がり
胞子を受けて濃い茶色になる。

発生時期:6月〜9月中旬
名前にマツタケとついているが、種類的にも味的にもマツタケと全く関係はないキノコ。ヤナギの他にニレ・カエデ・トウカエデなどの枯れ木や街路樹などに発生するキノコで、それらの木があれば道を歩いていても見つける事があるだろう。近付くとキノコを嗅いだ時に感じる特有の「キノコ臭」を爽やかな感じにして2倍くらいにしたような強烈な匂いがして分かりやすい。カサは初め薄茶色、上の同一種の胞子を被ると濃い茶色になる。ヒダは白色の膜に覆われており、成熟すると濃い茶色になる。覆われていた膜はカサが開くとともに破れ、一部が柄に残る。これを「ツバ」と言う。ツバは白色のち胞子を被って茶色になり、マント状に広がるため分かりやすい。人工栽培品が存在しており、スーパーなどにはないが取り寄せることで食べられるだろう。
このキノコが高校敷地内に毎年生えており、生きる楽しみにしていたが3年生の頃木が切り倒されてしまった。私の失われし青春の象徴。
うまさ:★★★★★(もっと流通してくれ!)
シャキシャキとした食感と、爽やかないい香りが持ち味のキノコ。大変優秀な食用キノコであり、どんな料理にしても美味い(味噌汁はちょっと違うかも、ってなったが)。個人的には炒め物とパスタをオススメする。スーパーで売ってくれ。

・ナラタケモドキ

木の根元に密集して生えることが多い

発生時期:6月下旬〜10月中旬
個人的に、私が初めてのキノコ食として最も推しているキノコ。特徴が分かっていれば分かりやすく、かなり身近に生え、量が採れるからである。カサは明るい茶色で中心部の色が濃く、細かい鱗片に覆われる。成長しきると反り返る。柄はカサとほぼ同色で、411cm。細くて中まで詰まっている。ツバはない。ツバがあると、近縁種でより美味しい「ナラタケ」になる。ヒダは白色で、柄に沿うように少し反っている
大量に生えるのは我々としては大変喜ばしいことだが、林業の世界では「ナラタケ病」という、名指しで病害菌呼ばわりされるほど嫌われている。このスゴい生え方であっという間に木を枯らし尽くしてしまい、どんどん他の木にも伝染するので手が付けられないのだと言う。実際、これが高校に生えた時は木が1本切り倒された。
即死級の毒キノコである「コレラタケ」に似ているとたまに言われるが、鱗片の存在と裏側が白であることで見分けよう。まあ、身の回りに生えてるようなキノコじゃないが。

これがコレラタケ。即死級の毒を持つ。

うまさ:★★☆☆☆(思ってたよりうまかった)
図鑑等でだいぶ微妙な評価をされていたため舐めてかかっていたが、思っていたよりはうまかった。新鮮なものはポリポリとした特有の食感があり、食べていて楽しかった。ナラタケには劣るがなかなかうまい出汁が出るため、味噌汁に入れるのがオススメ。ただし、消化に悪いため食べすぎると「これは明らかにやったな」という感じの下痢になる。慎重に食べよう。

・ホコリタケ

成熟すると頂点に穴が開き、ここから胞子を放出する。
若いうちは白い。これは穴が開いているが、
本来は穴が開いていない。

発生時期:6月中旬〜9月下旬
丸っこくてお団子見たいな、かわいいキノコ。ヒダがなく、表面は細かい鱗片に覆われている。若い個体は白だが、成熟すると頂点に穴が開き、茶色っぽくなる。その状態で押すと煙のように茶色い胞子が出てくる。たくさん押して遊ぶと楽しい。肥沃な土があれば多くの場所に発生し、比較的よく見かけるキノコ。
うまさ:★☆☆☆☆(わざわざ食べなくていい)
押したら胞子が出る成熟した個体はただの粉なので食べられないが、中まで真っ白な若い個体なら食べられる。しかし、ジャストタイミングで出会う必要がある上皮をむくめんどくさい作業が求められるにも関わらず、味は無味で、多少キノコの匂いがする程度。はんぺんから魚の風味を抜いた感じ。労力に見合わない性能。

・ノウタケ

一度でいいから人にぶん投げてみたい

発生時期:6月中旬〜9月下旬
ホコリタケと近い仲間のキノコ。直径5〜8cm。名前は形が脳みそみたいだから付けられた。リアルな大きさでちょっとキモい。若いうちは中まで真っ白だが、だんだん茶色の胞子の塊になっていく。最大まで成熟すると、上部の外皮が剥がれて胞子塊が剥き出しになる。その状態で踏んだり棒でつついたり投げつけたりすると、ホコリタケの5倍くらいの胞子が撒き散らされる。非常に楽しい。基本的にこの手のキノコは遊ぶのに使おう。
うまさ:☆☆☆☆☆(ホコリタケ系統にしてはうまいらしい)
ホコリタケの一件があるので、食べようと思ったことはない。ホコリタケ系統の中ではうまいほうらしい。

・キクラゲ

いつもお世話になっております

発生時期:6月〜7月
暑すぎると干からびてほぼ無くなるイメージ
皆さんおなじみ中華料理の王キクラゲだが、意外とその辺にあるものだ。クワ、ニワトコ、ミズナラ、ブナ、ケヤキなどの広葉樹の倒木や切り株、枯れた枝に1つあるいは連なって生えている。このキノコについて、形がどうとか説明する必要はないだろう。最近は大学の近くにキクラゲ無限湧きスポットが発見されて、毎年の楽しみになっている。
うまさ:★★★☆☆(想像通り)
天然物のキクラゲだからといって、特別うまかったりまずかったりはしない。あなたが想像するそのままの味だ。俺たちだけが無料でキクラゲを食べられる、そんな小さな幸せを噛み締めて生きていこう。

・夏のキノコ(7月〜)

・タマゴタケ

若い時の様子。この様子がタマゴに見えるからタマゴタケと名付けられた。
トマトのような真っ赤なカサ、黄色い柄、だんだら模様。これが見えたらフィーバータイムだ

発生時期:7月〜10月中旬
ド派手な真っ赤なカサに、警戒色のような黄色の柄。見るからに食べられなさそうなキノコだが、実は極めて優秀な食用キノコなのだ。よくある誤解の「派手なキノコは毒キノコ」というものの反例としてよく用いるキノコだ。カサは真っ赤で縁に黄色の溝線があり、ヒダは黄色。柄は黄色でオレンジ色の模様がある。模様とほぼ同色のツバがあり、根元には卵状の白いものがある。これを「ツボ」といい、テングタケ系統のキノコやフクロタケ系統のキノコによく見られる特徴となっている。タマゴタケは食用だが、テングタケ科のキノコには毒キノコが多いので注意。多くのテングタケ科のキノコはヒダが白色なので、黄色のタマゴタケとはそこで区別しよう
タマゴタケはヒダ、ツバ、ツボとキノコの要素を多く持ち合わせている上に、形が美しく色鮮やかなので大変人気が高い。イラストやグッズには必ずと言っていいほど存在する。さらに大変美味しく、長い期間生えるのでまさに完全無欠だ。コナラやスダジイなどの、ドングリの木が生えるところにある。私は偶然にも徒歩圏内で見つけた。
うまさ:★★★★★(毎回食べる度感動する)
カサは滑らかな食感で少しヌメリがあり、汁物にも合うしパスタにも絡む。柄は繊維質でシャキシャキしており、別の食材として同じ料理に入れるが切り分けるのをオススメする。何よりこのキノコの最大の強みは圧倒的な旨みの強さであり、食べ慣れているのに毎回食べるとうめぇ〜!ってなる。私のオススメはただのバター炒めだ。それが一番、タマゴタケの旨みを味わえるだろう。
下の袋状の「ツボ」は、ボソボソしてまずい上に出汁も出ないため、採ってくる段階で取り外してその場に捨ててくるのをオススメする。土汚れもつかなくなるし一石二鳥だ。

・キタマゴタケ

ミスったら死!キノコのジャカジャカジャンケンジャンケンポン!
ど〜っちだ?ミスったらあなたは死にます!
ヒント!私が生きてるのでこれはキタマゴタケです!

発生時期:7月〜10月中旬
基本的には、カサが黄色くなっただけのタマゴタケである。しかし、カサが黄色くなることによって、1本食べると自然毒内でもかなり惨たらしく死に至るキノコである「タマゴタケモドキ」に大変そっくりになってしまうのである。上から2枚の写真は、キタマゴタケかタマゴタケモドキかのどちらかだ。これを明確に見分けられないなら、絶対に食べるべきではないだろう。
見分けるポイントは、タマゴタケモドキの裏側が白であるのに対してキタマゴタケは黄色であること、タマゴタケモドキのカサ外周には溝線がないがキタマゴタケにはあることだ。これがわかっていて食べたが、それでも心臓の高鳴りは激しかった。「俺は明日死ぬのか?」という気持ちにずっと苛まれて怖かった。素人は絶対に手を出すな!
どちらがキタマゴタケかはあえて言わない。ちゃんと見分けられるくらいの経験をつけよう。
うまさ:★★★★★☠️(死のリスクを孕んだ味)
味はタマゴタケと同じだった。しかしミスったら即死という怖さで食べてからしばらくブルブル震えていた。もし中毒したら、胃洗浄ができる高度な病院に速やかに行かなければまず間違いなく死ぬだろう。

・ヤマドリタケモドキ

しっかりして大きめのキノコ。焦げ茶のカサと網目がある柄が特徴的だが、変異種が多い。
裏がヒダではなくスポンジ状になっているのがわかる。これが「管孔」。イグチ科の特徴。

発生時期:7月下旬〜9月上旬
「ポルチーニ」と呼ばれる仲間の一種。そんなものがその辺を歩いて生えてるわけないだろと思うかもしれないが、実は生えているのである。当然激レアだが、生えていれば俺たちがかの「ポルチーニ」を手にできるのだ。ロマンあると思わない?実際私は、HITACHIの工場敷地内でバカほどヤマドリタケモドキが生えているのを見たことがある。
発生場所はブナなどの広葉樹、ドングリの木である。キノコが生えるような手入れが行き届きすぎない乾いていない公園などに生えうる。特徴の解説をしたいところだが、この種は同じ種でも見た目が全然違うものが多い。図鑑で見たヤマドリタケモドキと手元にあるものが全然違うことなど日常茶飯事だ。ある程度共通する特徴は、カサは薄茶色〜焦げ茶であることが多い。柄は上から下まで網目模様がある。最も重要な特徴は、若いうちのヤマドリタケモドキは裏側が白いが、成熟すると黄色っぽいオリーブ色になることだ。また、シイタケなどと異なり裏側がヒダではなくスポンジ状の「管孔」になっている。管孔があればほぼイグチ科のキノコであるため、これを目印にしよう。
上手く言葉にしづらいが、ポルチーニには特有の硬さ、他のキノコと格が違うがっしりとした感じ、ポルチーニの香りがある。裏側が白の管孔でこんな感じのキノコを見つけたら俺に教えて欲しい。新幹線使ってでも行くから。
激レアポルチーニを求め、俺たちはドングリのある公園へと駆り出した。最高の味を楽しむために、「ポルチーニ香る〜」とかいう舐めた商品を鼻で笑うため。探せ!この世の全てを、そこに置いてきた。
うまさ:★★★★★(神レベル)
圧倒的な旨みと芳醇な香りを持ち、噛むと旨みが染み出してくる。珍しく価値のあるポルチーニを手にした喜びも相まって、山岡さんの「クノールポルチーニ香るスープパスタ」がカスみたいに思えるだろう。洋風のクリームパスタなどの煮込み料理に合う。多く採れたらフリッターにしてみるのもいいだろう。
これだけベタ褒めしておきながら★5なのは、ヤマドリタケという完全上位互換を食べたことがあるからである。あれは★★★★★★。

・おわりに

こんな自分語りを最後まで見てくれた人がどれだけいるかは分からないが、楽しんで頂けたら幸いである。今回紹介したもののほぼ全ては、私が実際にその辺を歩いていて見つけたキノコたちだ。意外とその辺にキノコってあるものなんだな、ということを知ってもらい、人生にちょっとだけ彩りを与えられたら嬉しい。
みなさんもキノコを見つけたら、サルノコシカケ系統以外は私に見せてほしい。

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