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小さな花を咲かしていこう -Bye Bye 2021-

いやはや大変な一年だった。一番印象に残っているのは、7月に西村経済再生担当大臣が休業要請等に応じていない飲食店との取引停止を酒類販売業者に依頼する文書を国税庁を通じて出した時だ。あの時の憤り、悲痛な気持ちは本当に思い出したくない。ただその後に大揉めに揉め、若干ではあるが酒類販売業者に対する支援が厚くなり、一息つけたということもある。いずれにしてもウイルスより人間の方が怖いなと思った。

緊急事態宣言(禁酒事態)が解けた10月から年末まで、外食の需要も平常時までとはいかないものの、8割方は戻ってきたかな、という感触。ただここからさらに上向くのは難しいようにも思う。飲食店は外食ならではの付加価値をより厳しく求められ、場合によっては立地や営業形態を環境の変化に合わせることを迫られるかもしれない。多くの小規模の個人経営店は協力金がしっかり入ったので、資金的には一息つけているが、来年からが勝負だろう。

さて、飲食店限定ビールの話だ。弊社ビアスタイル21は未曾有の危機にあったわけだが、なんとかここまでは乗り切れた。委託醸造というビジネスモデルや、商品が長期熟成するタイプのビールだったこと、たまたま僕と醸造責任者がエチゴビール社の業務を受託したところだったことで、この状況に対する耐性が高くなっていたのが幸いした。業務受託は将来に向けての布石だったのだが、いろいろ先延ばしせざるを得なくなったのは痛い。

ほとんどの得意先が休業するという、とてつもないことになったものの、18年間「飲食店限定」でやってきて、ここで家飲み需要に舵を切るなんてことは考えられなかった。むしろここが「飲食店限定」の勝負どきだと思った。飲食店としての付加価値が強く求められることになった時、必要とされる存在になる。それを僕らはやってきたんじゃないか。

明けない夜はない、って「鬼滅の刃」のコピーが沁みた。

自分たちが築いてきた飲食店との絆をもっと太く強靭にして、夜が明けた時に大きく花を咲かす。いや、あちこちの素敵なお店で、小さくても凛としたガージェリーという花をたくさん咲かす。そう自分に言い聞かせてた。

志を強くするための意義ある時間だった。

今、そう思っている。

さあ、2022年へ。

花を咲かそう!


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