3000へと至る川(創作)

少年が石段に座って夜の川を眺めていた

黒い水面に光が反射して銀色にゆらゆら揺らめく

川の中央におじさん 

身体が半分浸かってる 

全身が暗い影に覆われて良く見えない

おじさんは叫ぶ

しじょうかちとぉぉぉにんげんのかちはぁぁぁ

いこぉぉぉるじゃねぇぇぇ

少年には意味がよくわからなかった

ただただ静かに流れる川の音を聞いていたかった

あしたまたおじさんがきたら

あさってもまたおじさんがきたら

空から月が降ってくるだろう

おじさんのせいで川はなくなってしまうけれど

金色と銀色が重なり合うのならそれはそれでいいと思った

その瞬間をたった一瞬でも見られればいいと

少年は思った

おじさんが一瞬だけ少年の方を驚いたように振り返ると

ぶつぶつ独り言を言い始めた

少年は銀が流れていくのを見失うまいと

目を凝らした






確実に続けていますので、もしよろしければ!