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トラウマについて②支える人が学ぶべきこと

※この記事を読んで過去のトラウマが思い浮かぶ、フラッシュバックをするなど、動悸が激しく辛い、呼吸がしにくく苦しい、と感じたらすぐに読むのを辞めてください。

※過度な動機や過呼吸になった場合、深呼吸をしてください。

~参考文献~

心とからだと魂の癒し トラウマから恢復するためのPTSDワークブック

正しく知る心的外傷・PTSD:正しい理解でつながりを取り戻す

トラウマを抱える人を支える

手をつなぐ

トラウマ治療は時間の経過の中で、常に変化しながら前進していきます。

というのは、希望を持っている時期 無力感に打ちひしがれる時期があり、「昨日は前向きだったのに、今日は、、、」となることもあります。

これは何もおかしくないことなのです。

周りの人も本人も回復を信じましょう。

トラウマを抱えている人は相手を選び、自分の気持ちを話すことも大切です。

「自分の気持ちを言葉にしにくい」、「話すのが恥ずかしい」、「愚痴を言っているようで嫌だ」、「弱さをさらけ出したくない」などを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

これは愚痴や弱みではなく、積極的な回復法です。

親しい人に話すのが辛いなら、赤の他人でも、セラピストにでも構いません。

気をつけなければならないことは、話す相手を選ぶとき、「あなたが悪い」「心が弱い」「あなたよりひどい目にあった人はいる」と言ってくる人には注意しなければいけません。

話す相手はしっかり選んでくださいね。

話を聞いてもらうことができない人は、誰かと一緒に行動しするだけでも構いません。

「トラウマについて①」でも言ったように、慈善行動をすることで心に余裕が生まれます。

その中で話してもいいかな、気持ちを表現してみようかなという気持ちになるかもしれません。

ポイントは「一人で悩み続けてはいけない」ということです。

・・・

ここからはトラウマを抱える人を支える人向けです。

トラウマを抱える人の中には、助けを求めるのが苦手な人もいます。

「相手に嫌な思いをさせたくない」

「重荷になりたくない」

「自分が何を求めているのか分からない」

「助けを求めることが弱いことだと思っている」

「どうせ理解してもらえない、助けてもらえないと思っている」

このように、それぞれの人がそれぞれの事情や思いを抱えています。

「助けて」が言えなかったり、「泣いてもいいよ」で救われる人もいれば、泣けない自分を責める人もいます。

話して楽になる人もいれば、見守ってもらうことで楽になる人もいます。

人の役に立てることで楽になる人もいるのです。

トラウマを抱える人を支える人は、このような多様性を頭に入れ、その人に合った形でその人が「支えられている」という感覚が持てるようにしてください。

話を聞くだけではなく、しっかりと栄養のある食事、休養、睡眠をとれるようにサポートしていくことも大切です。

トラウマを抱える人の罪悪感と恥と悲しみについて

トラウマに対する反応として「罪悪感」と「恥」と「悲しみ」があります。

『罪悪感』

自分のトラウマに責任を感じているとしたら、罪の意識を抱えている可能性は高くなります。

◇罪の意識を軽減する4つのステップ◇

①まずは罪悪感を感じる理由を明確にしましょう。

②それは本当に自分だけの責任なのか、周りにいた人にはどのくらいの責任があったのかをはっきりとさせます。

③そして、自分が責任を感じているとしたら、これまでにもう苦しみ、自分を十分に罰してきたはずです。

その苦しみはその責任に見合っているか考えてみてください。

④最後に償う方法は何か考え、前に進むにはどうすればよいかを考えます。

この罪悪感を見つめなおし自分の原動力にするエクササイズには実際にはさらに多くの質問、ステップがあります。

重要な質問だけを抜粋してあります。

『恥』

恥は罪悪感より乗り越えるのが難しいといわれています。

罪悪感は自分のトラウマ場面でした(しなかった)ことを申し訳なく思う気持ちですが、「恥」は自分の存在を申し訳ない、人間として欠けていると思ってしまう反応です。

恥の根源となるものは、虐待や侵害、暴力、裏切り、いじめなどによりボロボロにされた経験による自己否定です。

「恥」を軽減するためには、自分が思う「恥の意識」と向き合うことが必要となります。

その根拠となる状況、なぜ恥になったのか、それを言ったのは誰か挙げていきましょう。

恥を乗り越える第一歩は認め、理解し、名前を付け、新しくリフレーミングしていくことです。

『悲しみ』

トラウマには高い確率で喪失(何かを失うこと)が伴います。

例えば、安全な感覚、安心な感覚、生きる意味、生きる目的、体の健康、人間関係、自分が何者かといいう感覚、自尊心、愛する人を失った場合に「悲しみ」が生み出されます。

「悲しみ」には、不信、ショック、怒り、不安、落ち込み、集中困難、不眠という反応があります。

起こったことを認めない、認めたくないのは当然の反応で、それは苦悩、苦痛から心を守る役割を担っています。

「悲しみ」を抱える人がまず目指すべきところは現実を受け入れることです。

コミュニケーションの方法

信頼

トラウマを回復させるための効果的なコミュニケーションを行うには、相手と直接話すことが大切です。

その中で自分の要望や感情を明確に伝え、相手を傷つけようという意図は持たず、話すだけでなく、積極的に耳を傾けましょう。

会話を進めていく場合に使えるテクニック、スキルを紹介していきます。

◇共感力

会話の中で自分の言いたいことを伝えようとすると、相手の気持ちを無視し、ストレートに言ってしまうことで喧嘩やすれ違いを起こすことがあります。

それを回避するためには、自分が言ったことが相手に受け入れやすいかを考えなくてはいけません。

つまり、相手の立場に立って相手の感情を想像しながら会話してください。

自分の言いたいことを伝えるのは大事ですが、相手が受け入れやすいように言うことがコミュニケーションを潤滑にします。

◇信頼関係

コミュニケーションにはお互いの意見を受け入れる信頼関係も大切です。

「私は言いたいことを言います。なので、あなたも言いたいことを言って下さい。」

というスタンスを双方が持ち、

「私が言っていることを考えてみてください。なので、あなたが言っていることも受け入れます。」

という認識に双方がなることで、深い会話が可能となります。

自分が言いたいことを言えるのは、相手がちゃんと聞いてくれるという信頼があってこそなのです。

◇前向きに考える

ネガティブになったとしてもポジティブな部分にフォーカスし会話を進めましょう。

ネガティブなものはリフレーミングしてください。

その考えは他にどのような意味があるか、どんな場合に使えるか、ポジティブな意味にできないかを考えましょう。

◇内容の明確化

内容の明確化の具体的な方法は、相手が話したことを言い換え、相手にフィードバックすることです。

「あなたが言っているのはこういうことですよね」

「あなたはこう思っているんですね」

というフィードバックを会話の中で行いましょう。

そして、「どうしてそう思っているのですか?」「なんでその行動をしたのか?」につなげてください。

内容の明確化のテクニックを使うことで、自分は相手の言っていることをどれだけ理解できているのかを把握でき、修正がしやすくなります。

話の内容を、より明確にすることができる効果もあります。

否定せずに理由を聞いて共感し、相手が求めているものを考え、話していくことが大切です。

◇感情を言い表す

「私はいま幸せです」

「私はいまこう感じています」

など、あなたがどのように感じているか、内面を伝えることでコミュニケーションに助けとなります。

◇伝え方

これまでのテクニックを紹介してきた中で、話の内容を明確に…だったり、感情を伝えて…などがありました。

ここでは具体的な”伝え方”を話していきます。

まず、言わなくても伝わると思ってはいけません。

自分が相手の要求や伝えたいものを感じることが難しいように、相手も自分をわかってくれていないことが大半なのです。

事実を伝えるのは楽ですが、自分の感情を正確に伝えるはとても難しく、自分の中で整理しないと伝わりません。

例えば、あなたが「怒っている」ことを伝えたとします。

「自分は怒っている」ということだけでは「なにに怒っているのか」「なぜ怒っているのか」「それは寂しいからなのか」「悲しいからなのか」「悔しいと感じているのか」が分かりません。

このように、相手には本当の意味では伝わっていないのです。

特に怒りの感情をそのまま相手にぶつけると、相手には攻撃されたと感じるため、そこでコミュニケーションが終わります。

伝える側は会話を始める前に自分の要求や伝えたいことを把握しておき、曖昧な表現を使わず、はっきり伝えましょう。

そして、文の最後は言い切り、濁さないでください、疑問形もいけません。

分かりやすく伝える方法として、

①何をわかってほしいのか、何が問題なのか

②それをどのようにしたいのか

③なぜそうなのか

これらを明確にすることで相手にわかりやすく伝えることができます。

言いたいことが伝えられないと、怒りなどの感情をぶつけてしまいますのでご注意ください。

次回の記事はトラウマを治すためにできる、具体的な方法について書きますね。











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