夫がくも膜下出血で倒れた話①
2020年5月4日早朝。夫がくも膜下出血で倒れた。
今日はそのお話。
先に言っておくと、発症から1か月経過した今、夫は命に別状なく、知能的な後遺も全くない。
ただ、身体が以前のように動かせなくなっているため、鋭意リハビリ中である。
本人も回復に向けて前を向いているし、noteも書いていいと言っている。
今なら私も冷静に書ける…と思っていたけれど、今、やっぱりものすごくざわざわする。
※しんどくなる人は、無理に読まないで。どうか、自分を大切にしてください。
前日までの不調
今思えば、予兆はたくさんあった。
前々日、「コンタクト左右入れ間違えたかな。片目が見えにくい」
と夫。やたらと気にしている様子があった。
前日、左の首筋に痛みの訴え。
以前から時々起こる現象だった。
首に痛みが発生し、その後痛みが上に…つまり頭に上り、スッと消えていくという。
以前から首の痛みは案外しつこく、整骨院に通うと緩和していた。
「GWだし、いつもの整骨院は空いてないね…」など、のんきに話す。
いつもならテキパキと家事をこなす夫、
この日は痛みがひどいのか、横になっていることが多かった。
ちょうどこの日オンラインでイベントをしていた私は、
子どもを満足に見ておいてもらえないことにいら立ち、
「もうちょっとで終わるけん、たのむけんみとってよ」
などと強い口調で言ってしまった。
もう少し優しい声掛けができなかったものか…と今更のように思う。
それでも、食材の買い出し等には車を運転して出掛ける。
いつもに比べ、多めに食材を買い込む。
「せめて明日は買い物いきたくないもんな…」
夕食を済ませ、いつものように子どものお風呂から寝かしつけをこなし、
夜はオンラインで打ち合わせがあるからと夫は仕事部屋へ。
打ち合わせを終え、夫婦で少し雑談。
日付はまたいでいたと思う。
「首の痛みは?」と訊くと、
「まだ痛いけど、痛みはだいぶ上の方に上がってきた」と答えていた。
お菓子の「アポロ」を人差し指のうえにちょんと乗せ、口に運ぶ姿が
なんだかとてもかわいらしく、やたらと印象に残っている。
発症から救急搬送
その時は突然訪れた。
4日早朝。私の寝ている2階の部屋に、夫がやってきた。
「ママ。ごめん。頭がすごく痛い。経験したことないぐらい。
身体が動かなくなりそうで、怖い。ごめん。」
身体の中で心臓をぎゅっ…と下に引っ張られるような、恐怖心を感じた。
どうしたらいいの?うろたえ、頭が真っ白になった。
救急車、呼んでいいのかな…
夜間の発病時のダイヤルがなかったっけ?あ、あれは子ども用か…
スマホを握りおろおろするばかりの私…
「救急車、呼んで。こわい…」
手が震えた。110?119?そんなこともわからなくなる。
119番を押すとスマホ画面に「緊急ダイヤル」と文字が表示され緊迫感をあおってくる。
熊本地震で夜中にアラームの鳴ったあの時のトラウマが蘇った。
なんとか電話口で状況を説明。
すぐに救急車が来る。限られた時間で何をしたらいい?
わけもわからず、ばたばた走る。
こんな状況なのに、夫は冷静だし、優しかった。
「子どもたちがいるから、実家のお母さんに連絡して…」
「僕のスマホはここにあるけど、充電が切れそう。充電器は仕事部屋にある」
「ごめんね。今、触らないで。熱いのが無理みたい。ごめんね」
実家に連絡後、とりあえずボトムスだけ着替え。
夫の財布とメガネ、スマホと充電器、私の生理用品(忘れもしない2日目で死にそうな日)をカバンに詰め、
床に散らかったまんまのおもちゃをとりあえず通れるようにと端に寄せる…
救急隊到着。部屋の案内だけして、後はとにかく無力だった。
いつも飲んでいる頭痛薬のカラが置いてあった。
ほどなく両親が到着。子どもたちは寝ていた。
救急車に私も同乗。
連休中の夜中、対応できる病院が限られる可能性もあると告げられる。
…が、運よく、一本目の電話で搬送先が決定し、出発。
車の揺れに顔をしかめる夫。
状況がどんどん悪化しているのがわかる。
救急隊員の質問に何とか答えるが、だんだんそれも難しくなる。
途中で嘔吐。反射的にきゃあ!と叫んでしまい、隊員になだめられる私…
病院に到着。夫はすぐさま検査に運ばれていった。
私は、早朝の総合病院の受付に通された。
おりしも新型コロナウイルスのため緊急事態宣言中。
いたるところに張り紙、養生、アルコール消毒液が見られた。
…と、思った以上に長くなったので、とりあえずここまで。
※追記!大切な注意書きを忘れていました※
救急車を呼ぶ際は、119番した電話は空けておきましょう。
折り返し、救急隊員から指示の電話がかかってくる場合があります。
また、急病人のそばを離れず、様子の確認を続けましょう。
たまたま翌日に脳卒中の番組が合っていて、このような話をしていました。
私はどちらも間違えていました。皆様お気をつけて。
続き…
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