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災害の教訓を辿る旅 〜いざ、真備町へ〜

2018年豪雨災害から5年が経った

2018年7月、愛媛県、広島県、岡山県、大阪府などに甚大な水害被害をもたらした西日本豪雨。特に倉敷市真備町では、小田川の決壊と土砂崩れが同時多発し、死者61人、
住宅全半壊 計8195棟、床上・床下浸水 計7058棟*という戦後最大級の被害を生んだ。(データは山陽新聞から)

あれから5年。地球温暖化による気候変動は世界的課題となり、様々な気象災害を引き起こし、その被害は激甚化している。今年も日本の各地でも集中豪雨が人々の命と生活を脅かしている。

防災のプロに守られている安心

私たちが活動する大阪もこの年、過去最大級と言われる豪雨を経験した。
大阪府のホームページ「大阪府を襲った主な災害」でも「災害の教訓を風化させない」ことを呼びかけられ、当時の被害の大きさを窺い知ることができる。

グローバルユース防災サミットに先駆けて、毎年大阪にある災害遺構や防災拠点を訪れ、複雑化、激甚化する都市防災に立ち向かう「防災のプロ」の方から直接学ぶスタディツアーを行っているが、大阪も過去には甚大な被害を伴う大災害を少なからず経験していることにハッとするメンバーも多い。

見方を変えれば、大阪が抱える災害リスクは「防災のプロ」の力により、絶妙なバランスでコントロールされているのだろう。

大阪三大水門の一つ「安治川水門」の開閉訓練に立ち会う(撮影:サミット実行委員会)

水を制するものは、国を制す

平時は人々の命と暮らしを支え、その地に多大な恩恵を与えてくれる水。

戦国時代に遡ると、武田信玄は治水の技術で川を治め、新たな田を開発し、国を豊かにしました。水防、治水と呼ばれる対策は別記事に委ねるとして、災害に強いまちづくりには水を制する叡智や努力が欠かせず、先人たちの弛まない努力を振り返るにつれ、私たちのDNAに深く刻まれた生きる術であることを実感します。

山地が多く、大きな川が流れる平野があり、山に囲まれた盆地や豊かな森が広がる高原。日本のどこにいても、自然が織りなす美しさを心から楽しむことができるが、その平穏な日々を災害は一気に恐怖に変えてしまう。

先人の教訓を「次の災害に」どう活かすか。

来月、私たちは真備町を訪れ、災害から5年経った町を自分の足で歩き、自分の目で当時の様子やその後の町の復興の現状を確かめに行く。

テレビや新聞で見て、知った気になっている事柄が本当にその通りなのか、そして、災害後始まった地域防災の活動に取り組む人々の思いと、私たちがサミットの活動に向ける思い、願いを重ね合わせてみようと思う。

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