徒然日記~日記エッセイについて

 好きな本のジャンルの一つに、日記エッセイがある。
 特に好きなのが、幻冬舎文庫から出ている小川糸さんのエッセイ。
 読んでいて暖かいからだ。
 せかせかした日常を送りがちな中で、ほっこりと優しい灯りを点してくれる。
「ちょっと一休みしてごらんよ」
 と暖かいスープの入ったカップを差し出されるかのよう。
 疲れて、何も考えたくない(考えられない)、なにもやる気が起きないなあ、という時に、彼女の日記エッセイは染みてくる。
 文章が読みやすいだけではない。
 家族との生活。
 作る料理。
 外国生活での気づき。
 どこに身をおこうと、暖かな物を両手で拾い上げる人、と言えようか。
 すでに何冊も発行されていて、私が持っているのはほんの一部。
 気まぐれに開くから、時系列も何もあったものではない。
 が、それでも時に、小川さんの本に手を伸ばしたくてたまらなくなる。

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